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創作和食を彩るドラァグクイーンのショー 大阪市、元料亭板前の異色ダイニングバー

共同通信 / 2024年3月31日 18時2分

ステージに立つルルデイジーさん=2024年2月、大阪市北区

 JR大阪駅(大阪市北区)周辺のにぎわいから少し離れ、飲食店などのネオンが点々とする北区兎我野町に「do with cafe(ドゥー・ウィズ・カフェ)」がある。華やかに女装するドラァグクイーンたちの接客やショーを楽しみながら、元板前のオーナーの創作和食を味わえる異色のダイニングバーだ。(共同通信=橋本亮)

 「間もなくショーが始まります」。アナウンスと音楽に期待が高まる中、3人のクイーンが順番に登場。YOASOBIのヒット曲「アイドル」などに合わせてパフォーマンスすると、約60席の店内は拍手に包まれた。

 オーナーの越智達雄さん(56)が2004年に開店。当初はショーをせず、料亭での8年半の板前経験を生かした料理で勝負したが、不利な立地もあり客足は滞った。自身もクイーンをしており、旧知の仲で現在はテレビ出演を重ねるナジャ・グランディーバさんらに接客を依頼。2006年ごろから毎日クイーンがいる今のスタイルになった。

 マツコ・デラックスさんらの活躍でクイーンの認知度が上がり、10年ほど前から注目されるように。15人ほどが入れ替わりで数人ずつ店に立ち「『推し』目当てのお客さまもいる。テーマパークっぽい感じです」と越智さん。ショーパブと異なり料理が軸で、毎日「天満市場」(大阪市)に通い、旬の食材を使ったメニューを時期ごとに提供。ご飯と煮物などがセットの定食も人気を集める。

 月2回ほど来店する40代の主婦は「クラブイベントと違って来やすい。クイーンさんは人間味があり、話を聞いてくれる」。長年出演するルルデイジーさんは「昔はアングラなものとして求められたけど、客層が広がった。偏見がある人も減ったと思う」と話す。

 越智さんは「多様性の時代で、ショーに限らず歌手や俳優として活動するドラァグクイーンも出てきた」と笑顔。表現の場が増えると店の独自性が薄れそうだが、逆風とは捉えない。「いろんなジャンルのパフォーマーに使ってもらえるようにしたい。うちも多様化できるよう、頑張ります」

 ドラァグクイーン 過剰に派手なメークや服で装い、曲に合わせたリップシンク(口パク)やダンスで、クラブイベントなどを盛り上げるパフォーマー。ドラァグは英語で引きずることを意味し、引きずるほど長いドレスの裾に由来するとの説がある。「女性らしさ」の誇張によって、性差の観念に縛られることを笑い飛ばそうとする試みとも言われる。

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