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2400天体、新装置で同時観測 米ハワイ島のすばる望遠鏡

共同通信 / 2025年1月10日 19時34分

すばる望遠鏡に設置された超広視野多天体分光器(PFS)の「主焦点装置」(PFSプロジェクト提供)

 国立天文台や東京大などの国際チームは10日、米ハワイ島のすばる望遠鏡に、最大約2400天体からの光を同時に観測できる装置「超広視野多天体分光器(PFS)」を新たに設置したと発表した。視野が広がり、観測効率が大幅に向上するという。星や銀河の化学組成や運動の様子を調べるのに役立つ。2月から運用を始める。

 開発に携わった村山斉・東京大教授(素粒子物理学)は東京都内で記者会見し「従来は2千年かかったかもしれない研究が1年でできる」と語った。宇宙を満たす正体不明のダークマター(暗黒物質)の解明にも意欲を示した。

 PFSは、約2400本の光ファイバーケーブルを備え、さまざまな波長の光に対応する。すばる望遠鏡の先端に取り付け天体からの光を集める「主焦点装置」や、波長ごとに光を分ける「分光器」などからなる。

 チームは今後、数百万個の銀河を観測し「宇宙地図」を作成したり、天の川銀河の数十万個の星を観測したりする方針。

 従来使われていた同種の装置では一度に観測できる天体は数百程度が限度だった。

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