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糖鎖伸長のブレーキ役を発見

共同通信PRワイヤー / 2024年6月5日 15時1分

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406051783-O1-6bLZMSUD

                                    

【研究背景】

 糖鎖 1)とは、グルコース(ブドウ糖)などの糖が鎖状につながったもので、多くの糖鎖はタンパク質や脂質などに付いた状態で生体内に存在しています。例えばヒトの血液中の多くのタンパク質も糖鎖を持った糖タンパク質で、糖鎖は様々な機能を持つことが知られています。また、疾患に伴って糖鎖の形が変化することが知られており、医療の現場でがんの診断などに使われています。また、タンパク質に付いた糖鎖の形が変わると、タンパク質の働きが大きく変わる例も知られています。例えば、抗体医薬品 2)の糖鎖の構造を変え、薬効を高める技術が治療に用いられています。

 タンパク質に付く糖鎖は、細胞の中で糖転移酵素 3)(糖鎖合成酵素)と呼ばれる酵素の働きによって作られます。180種類ほど存在しているヒトの糖転移酵素のうち、B4GALNT3  4)は、N型糖鎖 5)と呼ばれる糖鎖や、ムチン型糖鎖 6)と呼ばれる糖鎖に作用し、タンパク質に付いた糖鎖を伸ばします(図1)。B4GALNT3が作る糖鎖の構造は、LDN (LacdiNAc) 7)と呼ばれますが、他の多くのN型糖鎖では、LDNではなく、LacNAc  8)という別の構造を持っています。通常、糖鎖が伸びていってLacNAcが付くと、さらに糖鎖が伸びて、シアル酸 9)という糖が末端に付きます(図2)。血液中の糖タンパク質は、シアル酸まで伸びた糖鎖が付いていると安定であり、シアル酸が糖鎖から外れると、肝臓を介してその糖タンパク質が排出される仕組みが体内には備わっています。一方、B4GALNT3を欠損したマウスでは、スクレロスチン 10)という骨の形成を阻害する糖タンパク質の血液中の濃度が著しく増大して、骨の形成に異常が出ることがわかっています。しかし、LDNがなくなるとなぜスクレロスチンの血中濃度が高まるのかはわかっていませんでした。


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