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糖鎖伸長のブレーキ役を発見

共同通信PRワイヤー / 2024年6月5日 15時1分

著者:Yuko Tokoro, Masamichi Nagae, Miyako Nakano, Anne Harduin-Lepers and Yasuhiko Kizuka

DOI番号:10.1016/j.jbc.2024.107450

論文公開URL:https://www.jbc.org/article/S0021-9258(24)01951-3/fulltext


【用語解説】

1)糖鎖:グルコース(ブドウ糖)などの糖が鎖状につながった物質。遊離の状態で存在するものもあれば、タンパク質や脂質に結合した状態のものもある。デンプン、グリコーゲンなどの多糖は数多くの糖がつながり、糖鎖だけで遊離の状態で存在する。一方タンパク質に結合したものは、数個から20個程度の糖がつながったものが多い。糖鎖が結合したタンパク質を糖タンパク質と呼ぶ。

2)抗体医薬品:特定の物質(抗原)と結合する「抗体」を成分とする医薬品。がんなどに特徴的に存在する抗原と結合する抗体が用いられ、免疫作用により標的を排除する。抗体は糖鎖を持っており、その糖鎖の形を変えることで薬効が変わることが知られている。

3)糖転移酵素:糖鎖を合成する酵素のことで、ヒトでは180種類程度存在することが知られている。主に、細胞の中のゴルジ体と呼ばれる小器官に存在している。

4)B4GALNT3:糖鎖を合成する酵素(糖転移酵素)の一つで、細胞の中に存在し、LDN 7)という糖鎖構造を作る。

5)N型糖鎖:タンパク質に付く糖鎖の種類の1つで、タンパク質のアスパラギン残基(アミノ酸の1文字表記でN)に結合している。ヒトでは7,000種類以上のタンパク質がN型糖鎖を持つと考えられている。

6)ムチン型糖鎖:タンパク質に付く糖鎖の種類の1つで、タンパク質のセリンもしくはスレオニン残基に結合している。粘液の主要成分であるムチンタンパク質に数多く付いていることから、ムチン型と呼ばれる。

7)LDN (LacdiNAc):糖鎖の中の部分的な構造の一つ。GalNAcと呼ばれる糖が、β1-4結合でGlcNAcと呼ばれる糖に結合した二つの糖から成る構造。

8)LacNAc:糖鎖の中の部分的な構造の一つ。ガラクトース(Gal)がβ1-4結合でGlcNAcに結合した二糖構造。LacNAcの末端にシアル酸が付いた構造が一般的である。

9)シアル酸:炭素 9 個からなる糖で、糖鎖の末端に存在する。細胞と細胞の相互作用などに関わっている。構造の中に、カルボン酸(酸性部分)を持つ。

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