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高い稼働率の光格子時計で世界最高水準の時刻系を生成

共同通信PRワイヤー / 2024年6月8日 14時0分

3)    V. Formichella, G. Signorile, T. T. Thai, L. Galleani, M. Pizzocaro, I. Goti, S. Condio, C. Clivati, M. Risaro, F. Levi, D. Calonico, and I. Sesia, Year-long optical time scale with sub-nanosecond capabilities, Optica 11, 523 (2024).


用語解説

光格子時計

2001年に東京大学大学院工学系研究科の香取 秀俊 助教授(当時)によって提案された手法。多数の原子をレーザー光によって空間に捕捉することで、それらの原子の共鳴周波数の同時測定が可能となり、原子の共鳴周波数に基づく正確な時間を測定できる。現在の1秒の定義を15~16桁の精度で実現するセシウム原子泉時計に対して、18桁台までの向上が実証されている。


秒の定義の見直し (秒の再定義)

現在の秒の定義を実現するセシウム原子時計に対して、今後、その性能を上回る可能性を持つ原子時計を「秒の二次表現(secondary representations of the second)」と呼ばれるリストに入れ、秒の再定義の候補としている。現在、光を用いた原子時計として、中性原子のストロンチウム、イッテルビウム、水銀を用いた光格子時計、単一イオンを用いた原子時計など、計10種類が秒の再定義の候補となっている。


水素メーザー原子時計

水素原子のマイクロ波共鳴周波数に基づく原子時計。マイクロ波原子時計としては短期的な周波数安定度が良い。長期間の連続運転が可能で、時刻系の生成によく用いられる。


協定世界時 (UTC)

世界中の計量標準機関などで維持されている約500台の原子時計の平均をとり、セシウム原子泉時計や光格子時計など高精度な原子時計により周波数の校正を行うことで、国際原子時(TAI)と呼ばれる時刻系が生成される。TAIにうるう秒を加え、TAIとは整数秒差を保ちつつ、地球の自転に基づく時刻系と近似的に一致するように調整した時刻系。


国家計量標準機関

各国において、国立あるいはそれに準じる形で設置した計量に特化した研究機関。基本的には、SI基本単位(m, kg, s, A, K, mol, cd)をはじめ、多くのSI単位の計量標準をその国の国家標準として開発・維持・管理する。また、SI単位の利用促進や各国の国家標準の同等性を確認する国際比較なども定期的に行っている。

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