革新的な触媒を用いた環境に優しいフロー合成技術の開発
共同通信PRワイヤー / 2024年6月27日 14時0分
金属ナノ粒子は数十から数百の金属原子が集合してできた粒子で、ナノ(10-9)メートルオーダーのサイズを持っています。金属ナノ粒子は金属錯体やバルクの金属とは異なる物性や化学反応性を有しており、有機合成における触媒としても広く用いられます。金属ナノ粒子は適切な担体に固定化されていないと、容易に漏出もしくは凝集を起こし、その物性や化学反応性が変化します。複数の金属元素から構成される多元金属ナノ粒子も存在し、単元素のナノ粒子とは異なる物性や反応性を有することがあります。
触媒
触媒は化学反応において、活性化エネルギーを低減することで反応温度を下げ、反応速度や反応選択性を向上させます。また触媒は化学反応の前後でその構造が変化せず、一つの分子で複数の分子の反応を媒介することができます。このような特徴から、環境に優しい有機合成において、高活性と高選択性を有する触媒の開発は大変重要です。有機合成反応における触媒は、溶媒に溶解して機能する均一系触媒と、表面に分子を吸着させることで反応を促進させる不均一系(固体)触媒に大別されます。
連続生産フロープロセス
機能性化学品のような複雑な有機化合物を連続生産するためのプロセス技術です。フロー法によって連続化された反応プロセスや抽出分離プロセスといった複数のプロセスを適切に組み合わせた連結型プロセスであり、複雑な多段階合成にも対応することができます。フロープロセスの対義語として、フラスコに代表される反応器に溶液をためて反応を行うバッチプロセスがあります。
機能性化学品
医薬品、農薬、色素、香料、電子材料のように特別な物性や複雑な化学構造を持った有機化合物の総称です。高付加価値で重要な化学品である一方、多段階で複雑なプロセスを経て生産されるため、製造時の大量の廃棄物産生や、エネルギー消費を伴うことが大きな問題となっています。
ロイコキニザリン
ロイコキニザリンはアントラキノン化合物である1,4-ジヒドロキシーアントラキノン(キニザリン)を還元することで得られる化合物です。ロイコキニザリンは反応性の高いジケトン構造を有し、求核剤と求電子剤のどちらとしても機能するため、さまざまなアントラキノン化合物へ誘導化が可能な合成中間体として利用価値の高い化合物です。
化学量論量
化学反応において、基質xモルに対する試薬の必要量あるいは必要規定量が、理論的にxモルもしくはそれ以上である場合、その量を化学量論量といいます。化学量論量の対義語は触媒量となります。
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