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電子部品の品質管理をシームレスに実現する計測器

共同通信PRワイヤー / 2024年7月5日 14時0分


まず、DMMのゲイン誤差の経時変化特性の比較結果を図1に示します。各測定の前に、従来と同様の内部校正(DMMに内蔵固定された基準電圧源を用いた自己調整機能)のみを実施した場合には、1年間に2 μV/V程度ゲイン誤差が増大しています。それに対して、毎回、校正直後の基準電圧源モジュールを装着することで、1年を通して±0.4 μV/V以内のゲイン誤差が常に再現されることを確認しました。その他、温度特性、気圧特性、湿度特性なども評価し、従来型のDMMと同等以上の良好な特性を確認しました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407043164-O2-Oelj0JuR


次に、基準電圧源モジュール単体での出力安定度の評価結果を図2に示します。このモジュールでは、 ±0.2 μV/V程度の範囲内で日間変動と思われる出力値の変化を示し、それらの平均値(1次の最小二乗法を用いたフィッティング直線)は1年間に約0.33 μV/V程度の相対的な電圧の低下傾向を示していることが分かります。これまでに試作した複数の基準電圧源モジュールを評価した結果では、個体間による相違はあるものの、1年間に2 μV/V 以内の相対電圧変化という良好な経年変化特性を示すことを確認しています。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407043164-O3-U5mGUr50


以上の結果から、開発した基準電圧源脱着型DMMは、計測器の測定精度の要である基準電圧源を脱着可能としながら、従来型と同等以上の良好な特性を示しました。このDMMは、各種IT機器などに搭載される電子部品の検査工程をはじめとして、さまざまな精密電気計測の高精度化とコスト低減に役立つとともに、電気量における計量トレーサビリティ体系の効率化に貢献します。


今後の予定

基準電圧源脱着型DMMは、エーディーシーから今年度内に発売される予定です。


また、基準電圧源だけでなく、標準抵抗器や基準周波数源もモジュール化し、これらを内蔵したマルチ基準源モジュールの開発に取り組みます。


学会発表情報

発表学会:2024 Conference on Precision Electromagnetic Measurements

発表タイトル:Development of a Digital Multimeter with Removable Voltage Reference

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