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光の力で神経細胞の活動を簡単に評価する新技術を開発

共同通信PRワイヤー / 2024年7月29日 14時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407244056-O3-t4MlNPNY


さらに、PRESSはニコチンの濃度に依存した神経細胞の活動を評価することができました(図3)。これは、ニコチンの濃度によって反応する神経細胞の割合や細胞内での変化が異なることを捉えた結果と考えられます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407244056-O4-0i9Nj86K


本研究で私たちは、単一神経に限らず、神経集団の活動を迅速に高精度で評価することに成功しました。この技術は、細胞培養用培地など生育環境を維持したまま測定でき、蛍光プローブなどの計測標識も不要です。そのため、今後の発展が期待される細胞治療において細胞製品の品質管理に役立ち、製造コストの削減や治療の安全性と効果の向上に貢献します。創薬分野においては、新薬開発や毒性評価の効率化に貢献します。


今後の予定

この技術は神経細胞に限らず、さまざまな培養細胞や微生物の集団に対しても応用できます。そのため、培養細胞を用いた機能性食品の開発、微生物の代謝活動のリアルタイム評価や有用物資の生産性評価といった、バイオものづくりなど他のバイオ産業への広範な応用が期待され、多くの課題を解決できる可能性があります。さらに、細胞評価など生体外の評価技術の発展は、社会的潮流である動物実験の削減に寄与し、効率的かつ倫理的で成熟した研究環境の構築にも貢献します。


今後は、計測と解析の自動化によるスピーディーで低コスト、かつ高精度な細胞活動の評価を目指して、本技術の改良を進めます。具体的には、ロボティクスや画像解析の技術を応用し、多検体の自動計測を可能にします。また、最先端の光学技術を取り入れ、ラマン計測の感度や時間分解能の向上を図ります。将来的には、創薬分野における新薬開発や毒性評価、生殖医療における非破壊な胚評価への本技術の活用を検討していきます。


論文情報

掲載誌:Molecules

論文タイトル:Label-Free Assessment of Neuronal Activity Using Raman Micro-Spectroscopy

著者:Yuka Akagi, Aya Norimoto, Teruhisa Kawamura, Yasuyuki S. Kida

DOI:10.3390/molecules29133174

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