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ヒト常在菌の個別解析、新時代へ

共同通信PRワイヤー / 2024年10月3日 12時0分

● 従来の手法では困難だった、希少な細菌種の検出も可能です。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410027513-O6-662rsnum


同一の試料を解析した場合、シングルセルゲノム解析とメタゲノム解析では、異なる細菌種のゲノムが獲得されます。シングルセルゲノム解析では460種、メタゲノム解析では327種のゲノムが得られ、両解析で共通するのは140種に留まります。細胞から分析を始めるシングルセルゲノム解析と、壊れた細胞から抽出したDNAから分析を始めるメタゲノム解析では、得られるデータの性質が異なることが示されています。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410027513-O4-N0lY4a20

図2:メタゲノム解析とシングルセルゲノム解析の比較:細菌ゲノム


メタゲノム解析では、プラスミド・ファージなどの可動性遺伝子を各細菌ゲノムと紐づけて分析することが難しく、殆どが見落とされてしまいます。そのため、これらの可動性遺伝子にコードされる抗生物質耐性遺伝子がどれだけ存在するか、どの細菌が保有しているのかを知ることができません。一方、シングルセルゲノム解析では、各種抗生物質耐性遺伝子がどのプラスミド・ファージにコードされ、どの細菌種に保持されているのか、保有状況とネットワーク関係を明らかにすることができます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410027513-O7-6QOTqVFR


この研究により、シングルセルゲノム解析が口腔内・腸内細菌叢の遺伝的多様性を理解することに役立つことが示されました。特に、プラスミドやファージなどの可動性遺伝因子を介した抗生物質耐性遺伝子の広がり方について、個人単位・細菌単位で把握することができる点が画期的であり、常在菌間における遺伝子のやり取りの理解につながることが期待されます。

本研究で解析したゲノムデータセットbbsag20は、CC-BY 4.0で誰でもダウンロードおよび利用することが可能です。

https://doi.org/10.25452/figshare.plus.24473008.v2


(3)研究の波及効果や社会的影響

本研究の成果は、以下のような波及効果や社会的影響をもたらす可能性があります:

1.個別化医療の進展:個人のヒト常在菌叢を詳細に分析することで、特定の疾患と関連する細菌種の特定が容易になり、新たな治療ターゲットの発見に寄与します。

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