『第15回 歯科プレスセミナー』を開催
共同通信PRワイヤー / 2024年11月6日 15時0分
「訪問歯科」の普及に向けて、窓口開設やAI導入などさまざまな施策が進展
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411069440-O13-eGJG6tJv】
続いて、通院が難しい患者さんのための「訪問歯科診療」について意見交換を行いました。岩井氏は、北海道では通院できない方の相談窓口として開設された「在宅歯科診療連携室」をとりあげ、歯科衛生士が一次的に相談にあたって訪問診療につなげていくシステムについて説明。患者さんを取りこぼさない仕組みとして成功しているが、対応する協力歯科医師など人員が不足しており、体制整備が急務であると話しました。
澄川氏は、通院が難しい方を歯科医療につなげる仕組みとして、試験中の「AIによる簡易診断サポート」を紹介。口腔内の画像データをもとに迅速な判断を行うことで疾病の早期発見・治療に結び付けたり、歯科医師ではなく歯科衛生士が管理するなど、柔軟な対応が可能になると話しました。 渋谷氏は、長崎県歯科医師会が運営する、インターネットや電話で訪問診療の申し込みを受け付ける「長崎デンタルネット」を紹介しました。さらに、同歯科医師会では巡回歯科診療車も運営しており、今後は利用対象者の範囲をさらに拡大したいと話しました。
歯科医師の偏在は、政治や行政が取り組む課題。歯科衛生士など多職種も含めて次世代の人材確保が急務
これまでの意見交換をもとに、今後求められる取り組みや提案について伺いました。
澄川氏は歯科医師の偏在は、政治や行政が取り組む課題で、そのための基礎資料や知見において大学の協力が必要であると話しました。渋谷氏は、地域にある歯科大学において若い世代の研究者のポストが少なく県外に流出してしまう現状を指摘。今後は歯科診療所だけでなく病院や施設など歯科医師の働く場所の選択肢が増えると推測し、そのための人材育成の仕組みを国が主導して整備してほしいと話しました。
最後に地域での歯科診療を継続するにあたり、次世代の人材確保についてお話を伺いました。
岩井氏は、歯科医師は、医師や多職種と連携して医療提供を行っており、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、歯科技工士も含めて人材を確保する必要性があることを訴えました。
澄川氏は、自分のような上の世代の歯科医師が、次世代から見て憧れる存在になるよう努力することで、次世代との連携を進めていきたいと話しました。渋谷氏は、歯科医師は子供から大人まで、あらゆる世代に接し、喜ばれるやりがいのある仕事であることを若い世代に伝えていきたいと話しました。そして、歯科医療に限らず地方に関心を持ってもらえるように、若い世代に向けて各地域の魅力を発信していくことを提案しました。
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