『第15回 歯科プレスセミナー』を開催
共同通信PRワイヤー / 2024年11月6日 15時0分
歯科医療提供の地域偏在が進行。歯科診療所数が増える都道府県がある一方、無歯科医地区の数が増加に転じ格差が拡大
このように、歯科医師数と歯科診療所数が減少する中、地域偏在の傾向も強まっている。2000年から2020年までの20年間で、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)では人口も歯科診療所数も増加しているが、東北(青森・秋田・福島)や山陰(島根・鳥取)地方では人口も歯科診療所数も減少している。歯科医療機関を容易に利用できない無歯科医地区(※)の数が、2022年には増加して784カ所になっていることも危惧すべき点である。
※無歯科医地区:歯科医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4㎞の区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に歯科医療機関を利用することができない地区のこと。
「歯や口腔の疾患」の患者数は、「高血圧症」の患者数を上回る。国民の健康を支えるために、歯科医療体制の維持は重要
歯科保健をライフステージごとに見ると乳幼児歯科健診に始まり就学時に定期的な健診が続くが、それ以降は任意の受診となる。国民の健康を守るために、国民皆歯科健診のような切れ目のない歯科健診制度が求められる。また、それに基づくPHR(個人の健康情報)の蓄積も重要である。
高齢者の受療率を見ると、入院などの理由により、高齢者の歯科医療の機会が失われる傾向がみられる。「もっと早くから歯の健診・治療をしておけばよかったと思うか」という質問に75.7%が「そう思う」(「そう思う」「ややそう思う」の合計)と回答しており、定期的な健診や、身近な歯科医療機関のあることが重要であることが推測される。
2020年の「患者調査(症状小分類別総患者数)」によると、「歯や口腔の疾患」の患者数が最も多く1,579万人で、「本態性(原発性)高血圧(症)」の患者数を上回っている。この患者数の実態からわかるように、歯科医療体制を維持することは喫緊の課題である。
歯科医師は“自分の口で食べる”ことをサポートする重要な役割を担っている。食べることは、すべての国民の楽しみであり、それを支える歯科医療提供の体制維持は、ますます重要になると考える。
<パネルトーク>
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104318/202411069440/_prw_OT2fl_EL6gf0u3.png】
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