風邪・インフルエンザにかかってしまった! 重症化させないためには?
共同通信PRワイヤー / 2024年12月11日 10時0分
新型コロナ流行時に、基礎疾患がある方、肥満の方、高齢者が重症化しやすいと言われていたのは、まさにこの『慢性炎症』によって免疫が異常な働きをしてしまったからなのです。
炎症というと、熱が出るとか、痛みを感じるなどの症状があるのでは?と思われるかも知れませんが、とくに症状がなくても微細な炎症はどんな人でも常に身体中で起きています。そして、免疫が炎症をコントロールしています。
慢性炎症状態では、炎症性サイトカイン(免疫細胞を活性化し、炎症を起こさせるタンパク質)が常に放出されているため、免疫細胞が休む暇なく働き続けます。この状態が続くと、免疫細胞が劣化し、新しい病原体に対する対応力が低下します。結果、風邪やインフルエンザのウイルスが侵入しても、免疫細胞が効果的に働けず、初期対応が遅れてしまうのです。
感染症が重症化する状態は、いわば、免疫系が過剰に活性化されて制御が効かず、過剰な免疫反応が起こってしまう状態です。炎症性サイトカインが大量に放出される「サイトカインストーム」が発生し、肺や他の臓器にダメージを与えます。
感染症の早期快復を意識した食事
感染症を意識した腸活、救世主はタウリン
腸は免疫の70%以上を担う重要な器官で、小腸に存在する「パイエル板」は免疫細胞が活発に働く拠点です。腸内環境を整えることで、感染症の重症化リスクを下げることが期待できます。
実は腸の免疫細胞の助けになるのが、イカ、タコ、牡蠣などの魚介類に多く含まれるタウリン。タウリンは損傷した腸管バリア機能を改善して腸管の微細炎症を抑え、免疫低下時のパイエル板の減少を抑制することがわかっています。
また、特定の腸内細菌叢を増加させて腸内細菌叢の構成を調節する働きもあります。タウリンは体内で胆汁酸と結合し、タウロコール酸やタウロデオキシコール酸など呼ばれる抱合胆汁酸を生成し、抱合胆汁酸は腸内細菌によって代謝されデオキシコール酸やリトコール酸などと呼ばれる二次胆汁酸を生成します。これらの二次胆汁酸には抗菌活性があり、病原性細菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えることにつながるのです。
また今年の11月、タウリンには、感染症に罹ってしまった際に長引く疲労などの症状を抑制する可能性があることも発表されました。
ウイルスを退治するために炎症性サイトカインが発生しますが、その悪影響として痛み、咳、鼻水などの症状を引き起こします。このサイトカインの異常発生(サイトカインストーム)が重い症状につながりますが、タウリンがこの異常を抑制する可能性があることが明らかになったのです。
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