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地下微生物が天然ガスの起源を偽装!?

共同通信PRワイヤー / 2024年12月20日 4時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171819-O5-RILLX5F9


研究の社会的意義

生物起源の天然ガスは比較的浅い地層にのみ存在します(下図1)。一方で、熱分解起源の天然ガスはより深い地層で発生し、その一部が浅い地層に移動し天然ガス鉱床を形成します。従って、熱分解起源の天然ガスが浅い地層で発見された場合、より深い地層にはより大きい天然ガス鉱床が存在する可能性があります(下図2)。しかし、浅い地層に移動してきた熱分解起源の天然ガスがメタン菌によって生物起源の天然ガスに上書きされた場合、より深い地層に存在する熱分解起源の天然ガス鉱床を見落とすことになりかねません(下図3)。今回の発見は、天然ガスの生成起源や生成プロセスを正確に推定するための基盤的知見として、天然ガス鉱床の探査方法について再考を促すことで、今まで見落とされていた新しい天然ガス鉱床の発見につながることが期待されます(下図4)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171819-O6-159v4246


今後の予定

メタン菌は利用できる基質(餌)によって大きく3種類(水素資化性・酢酸資化性・メチル化合物資化性)に分類されます。今回は水素資化性メタン菌による安定同位体シグナルの上書き現象を観察しました。次は、酢酸資化性やメチル化合物資化性メタン菌でも同様の現象が起こることを検証し、今回の発見の普遍性について明らかにする予定です。


研究チーム

産総研

地圏資源環境研究部門 眞弓 大介 主任研究員、坂田 将 客員研究員

バイオメディカル研究部門 鎌形 洋一 招へい研究員

生物プロセス研究部門 玉木 秀幸 副研究部門長、加藤 創一郎 上級主任研究員、五十嵐 健輔 主任研究員、佐藤 朋之 産総研特別研究員(研究当時)

エネルギープロセス研究部門 皆川 秀紀 テクニカルスタッフ(研究当時:メタンハイドレート研究センター 研究チーム長)、西川 泰則(研究当時:メタンハイドレート研究センター テクニカルスタッフ)


マサチューセッツ工科大学

Department of Earth, Atmospheric and Planetary Science Ellen Lalk 大学院生(研究当時)、小野 周平 教授


論文情報

掲載誌:Science

論文タイトル::Hydrogenotrophic methanogens overwrite isotope signals of subsurface methane

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