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材料データを秘匿しながらベイズ最適化を行う材料探索アプリを開発

共同通信PRワイヤー / 2024年12月24日 10時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232155-O2-XF1M5qXv


そこで本研究では実践的な探索目標の一つとして、第一原理計算と呼ばれるシミュレーション手法で取得した132個の磁性材料候補の中から、データを秘匿しながら磁化が最高になるものを探すというタスクを設定しました。本アプリではこのタスクをベイズ最適化と呼ばれる手法を用いて実行します。ここでは組成データと物性データを使って探索を進めますが、組成データは復元を許し、物性データは秘匿して探索を行います。ベイズ最適化では既存のデータを基に不確定性を考慮した予測を行い、これを利用した効率的な探索を行うことができます(図2)。この材料探索アプリを用いると、データを秘匿しないものと比べると計算速度は遅いのですが、1つの探索候補を導くのに5分程度待てば計算が完了します。そしてこのタスクでは10回未満の探索でほぼ最高の磁化をもつ探索候補を90%の確率で見つけることができることがわかりました。これはデータを秘匿しない計算手法とほとんど遜色がありません。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232155-O3-V627nkuF


さらに本研究ではデータを秘匿したままの共用が探索効率を向上させられることを示すために、次のような問題設定でもベンチマークを行いました:A社はある磁性材料データのグループ中から磁化が高くない(=有望でない)データを3点提供し、異なるデータを有するB社も同じように別の磁化が高くないデータを3点提供します(図3)。これらは磁化の点では不成功のデータと言えますが、このようなデータのことをネガティブデータと呼びます。この2社はデータそのものは開示しませんが、共用は認めます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232155-O4-P106YIc5


その共用データを用いて、A社とB社に同意を得た別の会社C社が最高磁化を探す前述のタスクを行います。C社が新たに得たデータを追加しながら本アプリで探索を進めると、その探索回数はデータ共用がない場合と比べて圧倒的に少なく済むことがわかりました。本研究ではA社、B社のデータについて400通りの提供パターンを試行しましたが、そのすべての場合で探索回数7回以下で最高磁化のものを見つけ出すことに成功するという結果になりました(図4)。これはネガティブデータであっても「その物質によく似た候補は磁化が高くならないだろう」という推定がうまく働くからだと考えられます。(図3)

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