材料データを秘匿しながらベイズ最適化を行う材料探索アプリを開発
共同通信PRワイヤー / 2024年12月24日 10時0分
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232155-O5-602gaUD9】
これらによりネガティブデータの共用が材料探索に役立つという概念が成立することを示し、さらに本アプリはデータを隠したままにしながらこのような材料開発に実際に使えるものとして有用性があることを示しました。
今後の予定
より多くのデータや候補点を取り扱えるように、アプリを高速化します。また、今回のタスクではデータを隠す対象として物性データのみを扱いました。今後は、組成データなどにも秘匿計算を行えるようなアプリを開発し、より高い安全性でデータを取り扱うシステムを構築する予定です。本アプリはCD-FMatが運用する材料設計プラットフォームの一部として活用されます。また今後、磁性材料以外にも適用できるよう汎用性を確認・高度化し、共同研究などを通して利用を広げていく考えです。
論文情報
掲載誌:Journal of the Physical Society of Japan
論文タイトル:Materials secure computation with secret sharing: a Bayesian optimization scheme and its performance
著者:Taro Fukazawa, Tsutomu Ikegami, Masaaki Kawata, Takashi Miyake
DOI:https://doi.org/10.7566/JPSJ.94.013801
用語解説
ベイズ最適化
ベイズ推定を用いた最適化手法。ベイズ推定ではデータを基にして、材料特性値などのスコアの予測を確率分布の形で導出することが可能である。ここでの最適化とはスコアの高いデータを得ることであり、ベイズ最適化ではベイズ推定による予測を用いて次に取得するべきデータ点の提案を行う(図2も参照)。様々なモデルを用いることができるが、本研究ではガウス過程回帰を用いた非線形モデルを用いており多くの計算量が必要となる。
秘密分散技術
秘密にしておきたい情報を隠しながら分散させて保管する技術。情報は無意味な断片に分割され、このうちの一定数の断片を揃えないと情報を復元することができない。このため分散された断片の一部が漏洩しても、必要数に足りなければ元の情報は全く秘密のまま保つことができる。
秘匿計算技術
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