酸素と水から環境にやさしい酸化剤を創出! 安全な水と衛生のための持続可能なソリューション
共同通信PRワイヤー / 2025年1月24日 14時0分
今後、 H₂O₂ の生産効率をさらに向上させるためには、触媒性能の改良や電解反応装置の最適化が鍵となります。今回開発された多孔質電解質膜は、水素イオン伝導性に優れており、高い電流密度でもエネルギー損失(オーミック損失[5])を最小限に抑えられる可能性を秘めています。これにより、将来的にはより効率的で持続可能な H₂O₂ 2生成の実現が期待されます。
5.研究の意義と波及効果
本研究の成果として、再生可能エネルギーを活用して、 H₂O₂ を必要な場所で必要な量だけ製造する新しい技術の提供が可能となりました。この技術により、 H₂O₂ 製造時のC O₂ 排出量を削減できるだけでなく、高濃度 H₂O₂ の保管・輸送時に発生する環境負荷も大きく軽減できます。化学品のサプライチェーン全体におけるC O₂ 排出削減は、持続可能な脱炭素社会の実現に寄与します。さらに、今回合成された H₂O₂ 水溶液は従来の技術とは異なり、電解質やその他の不純物を一切含みません。そのため、水処理や飲料水の消毒を含む幅広い用途に直接利用できる点が大きな特長です。特に、安全で清潔な飲料水の確保や、全ての人々が衛生的な環境にアクセスできる社会を実現するため、不純物を含まない H₂O₂ 水溶液は極めて重要な役割を果たします。経済的な合理性が確保されれば、この環境にやさしい酸化剤・消毒剤への需要はさらに拡大すると予測されます。こうした電解合成技術は、地域ごとでの地産地消型の生産を可能にし、持続可能な社会への道を切り開くと期待されます。
6.特記事項
本研究の成果は、2025年1月23日付けでElsevier社発行の学術雑誌「Materials Today Catalysis」にオンライン公開されました。この雑誌は、材料科学分野で影響力のある「Materials Today」誌の姉妹紙であり、特に触媒反応に関する先進的な研究を取り上げるものです。
<タイトル> “Electrocatalytic H₂O₂ Synthesis from Crossover Oxygen through a Porous Proton Exchange Membrane”
<著者名> Kazuma Enomoto, Takuya Okazaki, Kosuke Beppu, Fumiaki Amano*
<雑誌名> Materials Today Catalysis
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