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2021年福徳岡ノ場噴火に伴う漂着軽石の1年の記録

共同通信PRワイヤー / 2025年1月22日 14時0分

A:明灰色軽石、B:黒色軽石、C:茶色軽石、D:灰色縞状軽石、E:黒白縞状軽石、F:白色軽石、G:ピンク色軽石、H:黒曜岩を含む軽石、I:カルエボシが付着する軽石、J:コケムシと藻類が付着する軽石、K:サンゴが付着する軽石。A-Jのスケールバーは5cm、Kのスケールバーは1cm。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501213170-O3-VlLzlfGn

FOB漂着軽石の特徴の時系列変化と軽石の浮遊実験結果

A:単位面積当たりのFOB軽石漂着量、B:各海岸の大きい方から20個の長径平均、C:円磨度、D:付着生物の種類の割合と各海岸の大きな方から20個の軽石中で生物付着が認められた軽石の割合、E:軽石浮遊実験における浮遊時間と沈んだ軽石の割合の関係。Dでは、30日ごとのデータをまとめて示しています。Eでは、FOB軽石を2種類(気象庁によってサンプリングされたFOB軽石と割ったFOB軽石)と比較対象としてATテフラの軽石を使用しました。ATテフラの軽石は、現在の海岸で多く認められるため使用しました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501213170-O1-H82758J2

FOB漂流・漂着軽石の時系列変化を模式的に示したもの

フェイズ1からフェイズ3にかけて、洋上でのFOB軽石の密度が変化し、それに伴って軽石の漂着量、サイズ、円磨度、付着生物が変化していきます。


5.研究の意義と波及効果

 以上のように、約1年間の漂着軽石の記録に基づき、噴火直後の漂着軽石の挙動を明らかにすることができました。このような複数の指標に基づく漂着軽石の挙動は、漂流・漂着軽石の運搬・堆積過程の理解に加えて、生物付着と軽石いかだの密度との関係や漂流シミュレーションとの対応など、多くの研究分野に示唆を与えるものと考えられます。また、将来発生する大規模な軽石漂流イベントを考えた際には、その漂着量の減少傾向や軽石内部構造(浮遊時間との関係)が重要であることなどを示すことができました。一方で、今回の軽石漂流イベントの記録をアナログとして、これまでに見つかっている堆積物中の漂流・漂着軽石の再検討やそこから推定される古環境の高精度化につながることも期待されます。最後に、日本では伊豆・小笠原諸島に海域火山が数多く分布するため、火山噴火による漂流軽石イベントへの対策は港湾や船舶への影響を考えると考慮すべき課題です。本研究データが、そのような対策に活かされることを期待しています。

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