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メタン生成アーキアに寄生するバクテリア

共同通信PRワイヤー / 2025年2月11日 1時0分


PMX.108T株は、細胞サイズが直径1 µm以下で絶対寄生性の超微小バクテリアであり、宿主のメタン生成アーキアの至適pHや温度範囲にPMX.108T株の最適な生育条件が存在することが分かりました(図1中央)。これは、PMX.108T株は培養の接種源として用いた嫌気性廃水処理システムの汚泥(pH 7、温度37℃)に特徴的な生育をしていることを示唆しています。さらに、メタノスピリラム ヒュンゲッティを含む8種類のメタン生成アーキアへの寄生可能性を評価した結果、このPMX.108T株が寄生するのはメタノスピリラム ヒュンゲッティのみであることも分かりました。この特性を生かして、CPRバクテリアのモニタリングや廃水処理システムのpH・運転温度を調整することで、CPRバクテリアの感染によるメタン生成アーキアの生理活性の制御が可能となることが期待されます。


PMX.108T株は宿主細胞の端を認識して付着することから、宿主の細胞表面構造を認識する機構の存在が示唆されました(図1右)。さらに顕微鏡観察とゲノム情報に基づき、これまで報告されている超微小寄生微生物が持つ鞭毛遺伝子がPMX.108T株には存在しないことが明らかになりました。これらは、PMX.108T株が既知の寄生とは全く異なるメカニズムを持つことを示唆しています。この寄生メカニズムを解明することで、なぜCPRバクテリアが生物学的に全く異なるアーキアに感染して生育するように至ったのか、進化的な道筋の解明にもつながります。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502063906-O2-O8b8LBAM


CPRの系統分類はこれまで定まっておらず、それが機能や宿主の予測およびCPRの生態系内での制御技術の開発の大きな妨げとなっていました。この巨大な系統群の他のバクテリアとの系統的・分類学的関係性について複数の仮説が報告されてきましたが、いまだに統一した見解は得られていませんでした。本研究では、ゲノム情報に基づいて分子系統解析を行うことで、CPRが「バシラティ(Bacillati)界」に属し、クロロフレキシ(Chloroflexota)門と姉妹門を形成する1つの「門」であることを示しました(図2)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502063906-O3-t6sc7EzH

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