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ギターとハサミの「二刀流」 福祉施設で演奏する理容師が京都・城陽を元気に

京都新聞 / 2024年4月2日 7時30分

音楽をしているときが「一番テンションが上がる」と話す中川さん(城陽市寺田・タートルセカンドナカガワ)

 「人と人がつながりを持てる場が大事」「高齢者や障害のある人も一緒に楽しめる催しを」―。音楽の力で京都府城陽市を元気にしようと、昨秋立ち上がった団体「輝け☆JOYO!夢プロジェクト」。2月に活動の説明会を開き、参加者約50人と今後の取り組みについて語り合った。代表の中川修蔵さん(54)は福祉にも力を入れたいといい「地元を笑顔にしたい」とほほ笑む。

 地域でバンド活動をしながら、文化パルク城陽などで音楽イベントを主催してきた。中学時代からフォークやロックが好きで、文化祭で村下孝蔵やディープ・パープルの曲を演奏。「目立ちたがりだったんです」とはにかむが、思春期の熱中体験が今も原点にある。

 理容師として実家の理髪店で働き始めた20代半ばに音楽から離れたが、35歳で自分の店を持つと再びバンドを始める。散髪中の雑談で音楽好きと知った客と、店内で定期的に演奏会を開いた。「最初は大みそかの年越しライブ。楽しかった」

 大勢が集まるようになると、次第に規模の大きな会場を使うように。プレーヤーだけでなく、運営側でイベントを仕切ることが増える中、音楽でまちを元気にしたいとの思いを強くした。

 音楽には力がある、と実感する。「非日常的な空間で音に浸る中で、聞いている人それぞれに響くものがあると思う。共感が広がる中で、人と人のつながりも広まる」

 一方、福祉の世界にも長く関心があった。息子が生まれつき下半身にまひを抱え、子育てをする上で社会に多くの障壁があると気付いた。「声を上げ、変えていく大切さを知った」。ボランティアで介護施設に出向いて演奏をしたり、民生委員として独居の高齢者の見守り活動をしたりするようになった。

 始まったばかりの「夢プロジェクト」には、多様な人たちの活躍の場をつくりたいという思いも込めている。ともに活動を行う音楽仲間たちも、身近にひきこもりの人がいたり、福祉業界で働いていたりするという。演奏だけでなく、福祉や健康づくりりの講座開催などの準備も進めている。

 仕事、趣味、ボランティアと幅広く活動する中川さん。原動力は何なのか。「生まれ育った城陽が好きだから、多くの人が『住みたい』と思うまちになればと思って」。ギターを手に、明日もステージに立つ。

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