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焦らず会計を、マックスバリュの「おもいやりレジ」好評 高齢者「セルフにはついていけない」

京都新聞 / 2024年4月12日 5時8分

マックスバリュ膳所店の外観

 小売店などでセルフ形式のレジが増える中、滋賀県内にあるイオン傘下の食品スーパー「マックスバリュ」にこのほど、高齢者らも安心して買い物ができる「おもいやりレジ」が設置された。従業員が認知症の知識を学んで接客の際も配慮し、時間がかかっても焦らず会計ができる取り組みとなっている。

■「認知症サポーター」の店員も

 東海地方を中心に約240店を展開するマックスバリュ東海(本社・浜松市)は「地域密着経営」を標ぼうする。おもいやりレジの導入は、安心して暮らせるまちづくりに向けた社会貢献活動の一環として進めている。

 滋賀県内では昨年11月から12月にかけて、駒井沢、大津京、東近江、八日市、膳所、大津月輪の全6店で取り入れた。

 このうち膳所店(大津市におの浜3丁目)では、キャッシュレス対応のみを含めてセルフレジが14台と増えており、その利用率は客全体の7割近くになっている。

 一方で、有人レジの利用率も依然として3割以上。店の周囲にはマンションが林立して高齢者の客も多いことから、毎日午前9時~午後6時、有人レジ3台のうち1台をおもいやりレジとして運用している。

 設置に先立ち、従業員10人ほどが認知症サポーター養成講座を受講した。認知症の基礎知識のほか、ある客が毎日同じものを多く購入するといった状況を想定した接客についても学んだ。講座を受けた従業員は、認知症サポーターの証であるオレンジリングを身に付けている。

 「せかさないように、ゆっくり大きな声で話すように心がけています」と語るのは、同講座を受講した従業員。高齢者だけでなく、子連れの家族や妊婦を含め、支払い時に財布を取り出しにくかったり、買い物かごを持ち上げにくかったりする客に対し、より丁寧な対応を意識しているという。

■以前は「早くしろ」の声

 おもいやりレジを利用した客の男性(83)は「われわれは(セルフレジには)ついていけないので(おもいやりレジは)ええこと。焦らずゆっくりと会計できるのはありがたい」と笑みを浮かべた。店が設置する「お客さまの声」にも、「おもいやりレジが導入されて大変うれしい」との意見が寄せられているという。

 同店では以前、会計に時間を要した利用客に対し、後ろにいた別の客が「早くしろ」などと言葉を浴びせることもあったという。

 福永浩店長は「従業員だけでなく、周囲の方々もおもいやりを持っていただけたら」と呼びかけ、「高齢の方は今後さらに増える。多くの方におもいやりレジを利用してもらえるようPRにも力を入れたい」と語る。

 マックスバリュ東海によると、滋賀県外の店舗の中には行政や福祉団体と連携し、ボランティアスタッフが客に付き添って買い物をサポートする「スローショッピング」の日を設けたり、商品分類の案内を天井のつり下げ式からより見やすい床面表示に切り替えたりしているケースもある。滋賀の店舗でも今後、こうした多様な取り組みの導入を検討していくという。

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