リメイク希望!令和に復活して欲しいナムコの名作ファミコンソフト3選
マグミクス / 2023年7月28日 21時10分
■今なお支持されるナムコの名作ファミコンソフト
昨今のゲーム業界では、発売から数十年が経過した過去作品のダウンロード配信をはじめ、リマスター版やリメイク版の制作が盛んに行われています。しかし、すべての作品が日の目を浴びているわけではありません。なかには名作と評価されながらも、権利面や制作上の都合から手がつけられず、何の音沙汰もない作品も多く存在します。
今回は、ゲーム業界を半世紀近くにわたって支えてきたナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)のファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)ソフトから、中古市場でプレミアがついている名作や、リメイク版が作られていない良作を3本ご紹介します。
●『さんまの名探偵』
ファミコンと言えば、著名人や芸能人とコラボした「タレントゲーム」の多さでも知られています。1987年6月に発売された『さんまの名探偵』はその代表例で、吉本興業が誇るお笑いタレント・明石家さんま(以下、さんま)さんが主役を務めるアドベンチャーゲームです。プレイヤーはさんまさんの助手となり、桂文珍さんを手にかけた真犯人を突き止めるべく、事件の調査に乗り出します。
同作はタイトル名の通り、吉本興業の当時の人気芸人が実名で登場するのが特徴です。さんまさんをはじめ、オール阪神・巨人のふたり、西川のりおさん……などなど、デフォルメされながらも各々のキャラクターがしっかりと再現されています。彼らとの明るいやり取りが、「殺人事件の真相を究明する」というシリアスなテーマを程よく中和しつつ、それでいてシナリオも推理のしがいがある内容へ仕上がっていました。プレイ中に使用可能なコマンドのひとつに、「どつく」というワードが目立っていたのも、語り草になっています。
同作のリリースから12年後には、お笑いコンビ・ナインティナインを題材にしたPlayStation用ソフト『ナイナイの迷探偵』が誕生しました。ただし、中身はコマンド選択式アドベンチャーとは異なった仕上がりで、賛否両論を招く結果になります。一方の『さんまの名探偵』も現時点までリメイク版が作られておらず、諸々の事情から今後もダウンロード配信などが難しい1本と言えるでしょう。
●『クインティ』
1989年6月に登場した『クインティ』は、世界的な人気シリーズ「ポケットモンスター」の開発元で知られるゲームフリークのデビュー作品です。パズル要素の強いアクションゲームで、囚われの身となったヒロイン・ジェニーを救うため、プレイヤーは主人公・カートンを操り、彼女が助けを待つ天空の城を目指します。
同作は「ステージ内の敵キャラクターをすべて倒せば勝利」というシンプルなルールながら、独自の「めくりアクション」を採用しているのが魅力です。ステージ内に設置されたパネルをクルッとめくることで、「敵キャラクターを壁際まで吹っ飛ばす」「残機が増える」といったさまざまな効果が発現します。恩恵をもたらすパネルもあれば、かえってマイナスに働くパネルもあり、最序盤から奥深いプレイングが楽しめました。
『クインティ』はステージが進めば難易度も上昇するため、やりごたえも抜群です。やり込めばやり込むほど上達具合が実感できるゲーム性とポップな作風が話題を集め、オリジナル作品ながら国内ではソフト売上20万本というヒットを記録し、1990年の冬にはNES(国外版ファミコン)用ソフトとして北米デビューも飾りました。なお、2023年現在はダウンロード版が配信されており、手軽に遊べる環境が整っています。
■コミカルに楽しめる戦国シミュレーションゲーム
●『独眼竜政宗』
1989年6月27日発売の『クインティ』は、パネルをめくって敵を倒す画期的なアクションゲーム。そして1996年2月、本作を開発したゲームフリークは今なお続く「ポケットモンスター」を生み出した。(ナムコ)
「歴史シミュレーション」作品といえば、光栄(コーエーテクモゲームス)の『信長の野望』などが有名ですが、1980年代のナムコも同様の題材で歴史シミュレーションを手掛けていたことをご存知でしょうか。1988年4月に発売された『独眼竜政宗』は、日本の戦国時代を描いたシミュレーションゲームです。主役は実在の武将である伊達政宗で、あらゆる策を講じ、奥羽(現在の東北地方)を統一できればクリアとなります。
歴史シミュレーションと聞くと、どこか硬派なイメージを浮かべる方も多いかもしれません。しかし『独眼竜政宗』は、同ジャンルにおいても比較的コミカルな部類に入るでしょう。伊達政宗や補佐を務める片倉小十郎をはじめ、登場する大名はいずれも個性豊かです。喜怒哀楽に応じて表情がころころ変わり、青年期は若々しく、老年期は白髪になるなど、作り込みの細かさがうかがえます。
また、領地の模様を伝える瓦版にナムコのマスコットキャラクター「パックマン」が描かれていたり、ニュースキャスター風の男性がマイク片手に現地レポートを始めたりと、歴史考証にこだわりすぎない「ミスマッチ感」が良い意味で明るい作風に寄与しているのも特徴です。同じ説明文を表示させないクイックモードも含め、歴史シミュレーションに馴染みがないプレイヤーでも遊べるような、とっつきやすいゲームでした。
(龍田優貴)
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