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『ドラゴンボール』ピッコロ大魔王とマジュニアはなぜ性格が違うのか 鍵は「悪の源」

マグミクス / 2023年10月18日 7時10分

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■「神様」と「ピッコロ大魔王」の関係性から考える

 おなじみ『ドラゴンボール』には、ご存知のようにふたりのピッコロ、すなわち初代の「ピッコロ大魔王」と、「マジュニア」こと2代目「ピッコロ」が登場します。

 劇中、ドラゴンボールで若さを取り戻した(初代)ピッコロ大魔王は、孫悟空と戦い、敗れました。ピッコロ大魔王は、腹部に穴を開けられつつも「自分の全てを込めた」卵を産みます。体に穴が開いていることから考えて、この卵はどこかの体内器官で作りだしたものではなく「自分の細胞を再構成して作った」ものなのでしょう(ナメック星人は失った腕などを瞬時に再生できるため、細胞分裂速度が異常に速い種族だと考えられます)。

 卵から生まれたマジュニアは、ピッコロ大魔王の全てを受け継いでいるはずなのですが、大魔王とはかなり違う存在として描かれています。

 ピッコロ大魔王は、口から卵を産むことで、配下となる魔族を生み出しますが、マジュニアはそうしたことはしません。大魔王は破壊や殺戮を楽しむ性格で、血も涙もありませんが、マジュニアは悟空をライバルと認める誇り高い部分があり、悟空の息子である悟飯と情を通わせる優しさも持ち合わせます。

 常に上から目線で、対等な存在を認めないで支配したがる大魔王と違い、マジュニアはラディッツを「今の自分では勝てない相手」と見極め、ライバルである悟空と共闘する知性や冷静さも持ち合わせています。

 大魔王は、自分の欲望である世界征服を続行するためにマジュニアを作ったはずですが、どうしてふたりはこんなにも異なるのでしょうか。

 筆者は、マジュニアと大魔王が異なる原因を「神様と大魔王が別れた理由」と関係があると考えます。元々ひとりだった「カタッツの子」が、地球の神となるため「神様」と「大魔王」ふたりに分裂したのは、「地球人の邪悪さに触れ、影響を受けたため」と描写されているからです。

 つまり、ピッコロ大魔王の邪悪さは、生まれついてのものではなく、カタッツの子が接した地球人の邪悪さ由来なのです。

 マジュニアは、自分自身が長年「電子ジャーに封じられ、恨みを募らせていた」わけでも「邪悪な地球人と接していた」わけでもありません。ナメック星の描写を見る限り、ナメック星人は戦闘タイプの「ネイル」を含めて、殆どが穏やかで優しい種族のようです。

 そもそも、ナメック星人自体が「性別がなく、卵で子孫を残す」種族です。ナメック星でナメック星人の子どもが、幼い人格として描写されていることを考えると「自分の経験を込めた卵を残したとしても、生まれてくる存在は別個の人格」であるのが自然だと考えられます。

 大魔王とマジュニアも、これと同じように「経験は共有しているけど、別の魂(人格)を持つ存在」ということです。

 つまり卵から生まれたマジュニアは、「自分自身の体験」ではないピッコロ大魔王の記憶については「他人の経験」として、ある程度、客観的に見ることができたのでしょう。

 親のトラウマ体験を聞かされた子どもが、同じトラウマを持つとは限りません。大魔王の記憶の影響から、平和を嫌い、世界征服を企んでいたマジュニアですが、悟空や悟飯との出会いにより、本質的には善良なナメック星人としての性質が出るようになったと考えられるのです。

 親の大魔王が地球人に植え付けられた「後天的な邪悪さ」を「情報として」持っているだけのマジュニアにとっての「リアル」は、自分を好敵手として認めてくれた悟空を認める気持ちや、自分を慕ってくれる悟飯への情にあり、神様の言う「邪悪さはずいぶん薄れた」というのは、必然だったのではないかと思う次第です。

(安藤昌季)

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