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『ドラクエ4コマ』で活躍、浅野りん先生インタビュー 『であいもん』誕生の理由

マグミクス / 2019年12月6日 17時10分

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■『ドラクエ4コマ』とオリジナル作品で人気を集める

 1990年にエニックス出版(現:スクウェア・エニックスの出版部門)から第1巻が発行された『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場(以下、ドラクエ4コマ)』は、当時のドラクエファンの子供たちを熱狂させた人気作で、現在でもSNSでたびたび思い出が語られています。シリーズは続々と発行され、読者投稿の企画『ドラクエ4コマクラブ』から多数のプロ作家を輩出しました。

『ドラクエ4コマクラブ』に投稿作品が掲載され、さらにオリジナルストーリーでも「月刊少年ガンガン」の新人賞を受賞。『ドラクエ4コマ』とオリジナル作品、それぞれに多くのファンを持つ浅野りん先生にデビュー当時の思い出と、現在の活動についてお話を聞きました。

ーー初めて読んだ『ドラクエ4コマ』は?

 出会いは、友人に借りた1巻だったと思います。2巻が出た時に、1巻と2巻を買いました。各作家さんの個性が出ていて、4コマとしての完成度とともにドラクエの攻略本のように使っていました。

歴史の始まりとなった『ドラクエ4コマ』第1巻(撮影:マグミクス編集部)

ーー『ドラクエ4コマクラブ』に応募しようと思ったきっかけは?

『ドラクエ4コマ』の巻末にあった応募要項を見て、友人に誘われる形で応募しました。その頃は原稿用紙もマンガの道具も知らず、画材店に行って知識としてあるだけのGペンと画用紙と、数枚のスクリーントーンを買って……。当時は製図講座を受けていて、ロットリングやデザインカッターなどは持っていたのでそれも使って。

 中学の頃にマンガ同好会に入っていたのでイラストは仕上げたことがあったのですが、原稿として形にして完成させたのは『ドラクエ4コマクラブ』の投稿が初めてです。

ーープロ作家としてデビューした経緯は?

 1992年に「月刊少年ガンガン」の「ビッグルーキー大賞」で佳作を受賞し、1年後「フレッシュガンガン」で、読み切り『プロブレム・ハウス』でデビューしました。

 2作目の読み切りが掲載された時に、『ドラクエ4コマ』の編集部から「ドラクエ4コマ応募していたでしょう、こちらでもやってみませんか?」と声をかけられました。私が投稿していたのを覚えてくださっていたんです。

 実は、「ガンガン」に応募する前に編集部から「ドラクエ4コマでデビューしませんか?」と手紙をいただいていたんですが、ストーリーマンガを描きたかった気持ちが勝ってしまって断っていたんですね。なので、すごくびっくりしました。もちろん、ふたつ返事でOKです。

■『ドラクエ4コマ』は人で言うなら「恩人」

Twitterで公開された、当時のラフ画(浅野りん先生提供)

ーーご自身のネタで、印象に残っているものは?

 やっぱりプロとして最初に描いた「バージン・ロード」です。この4コマがスタートになるのかと色々思いを乗せた覚えがあります。ゲーム中ではビアンカとフローラを選べず、何とかして町の外に出られないかと数時間ウロウロして断腸の思いでビアンカにした思い出のイベントなので、すごく印象強かったんですよね。1ページを使って大きなコマで主人公とビアンカを描けたのが、めちゃくちゃ楽しかった。今読むと「なんでこれがオチとして成立してんだろ」と思うんですけど。

ーー今はTwitterなどで交流ができますが、当時はファンレターしか連絡手段がありませんでした。読者からのファンレターで印象に残っているものは?

 当時は「ガンガン」での活動も並行していたので、ストーリーマンガも4コマも両方読んでくださっていた方が多かったです。なかでも「4コマクラブから読んでます、ファンです!」と言ってくださる方がいて驚いていました。ありがたかったです。今もTwitterで、そう声をかけてくださる方がたくさんいて本当にうれしいです。

「月刊少年ガンガン」で連載された『PON!とキマイラ』 現在は「マンガ図書館Z」で読める

ーー『ドラクエ4コマ』『ドラゴンクエスト 天空物語』を手掛けた幸宮チノ先生と当時から仲が良いそうですが、出会ったきっかけは?

 編集さんを通じて連絡を取り合ったのが最初ですね。チノがすごくフレンドリーに話しかけてくれたので、同年代なのもあって打ち解けるのが早かったです。携帯が普及してない頃だったので、自宅の固定電話で夜中まで話して請求額で親に叱られたことがありました。チノも私も、お互い母親に叱られていました。私が京都、チノが当時は大阪に住んでいて、比較的近い場所だったのも幸いしたんだと思います。

ーー浅野りん先生にとって、『ドラクエ4コマ』はどのような存在でしょうか?

『ドラクエ』の世界に浸れる最高の娯楽です。『4コマクラブ』の掲載がなかったら、漫画家になる自信もついてなかった。人で言うなら恩人です。

■人気作『であいもん』はどのように生まれた?

「コミックウォーカー」などで1話の試し読みも可能 『であいもん』第1巻(KADOKAWA)

ーー現在「ヤングエース」で連載中の『であいもん』について教えて下さい。この作品が生まれた経緯は?

 連載に向けてネタを3作出したんですが、どれも好意的に批評してもらった上で「現実感のある作品で京都を舞台にしたものを」とリクエストをいただきました。

 京都をイメージした時に出るであろう単語を書き出して、その中にあった「和菓子」に編集さんが興味を持たれました。書き出した中で一番不安な題材だったので、今でも不安で仕方ないです。その筋の人間じゃないとどうしても分からないことがありますし、知らないことを逆にネタにして行こうと今も試行錯誤の毎日です。

 京都を舞台にする作品を描くこだわりとして、「京言葉」はそのまま話し口調で書くことについて、編集さんに「もちろんそれでいいです」と否定されなかったので、他府県の方には「?」となる言い回しもあるかと思います。

ーープライベートでの和菓子との付き合い方は?

 以前より気になるようになりました。人の生活にこんなに密着しているものなんだと、調べるたびに驚きます。よくよく考えたら、小さい時から和菓子にはなじみがありました。

 特に京都では催事に関わるものとして意識せずとも口にしてきたんだなぁと改めて知り、懐かしい思い出が蘇ってきます。

『であいもん』第7巻(KADOKAWA)2019年12月28日(土)に第8巻が発売

ーー『であいもん』の連載以外の活動は?

 たまに少年画報社さんで短編を描かせていただくのと、ゲーム系のアンソロジーに参加させていただくことがあります。

 また、現在は京都嵯峨美術短期大学のマンガ分野にて非常勤をしております(来年度は未定です)。

 2019年末には『であいもん』関連でコラボ的なことと、2020年のイベントの話が進んでいます。発表できるようになったらTwitterなどで報告します。

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(マグミクス編集部)

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