「不憫すぎ」「妙にリアル」青髪＝負けヒロインのイメージを植え付けたキャラ3選

■信頼関係はむしろ恋人以上なのかも？

　毎月16日は「いい色髪の日」です。バリエーションの豊富な髪色は、アニメキャラを印象づける特徴のひとつといっても過言ではないでしょう。なかでも、心を落ち着かせ、リラックスできる効果があるといわれる青色の髪のキャラは、クールでどこか神秘的です。しかし青髪のヒロインの場合、恋が報われない姿が目立ち、「青髪＝負けヒロイン」というジンクスが生まれるほどになっています。

●レム『Re:ゼロから始める異世界生活』

『Re:ゼロから始める異世界生活』（以下『リゼロ』）は、異世界に召喚され、死をもって時間を巻き戻す「死に戻り」の力を手にした主人公ナツキ・スバルが、大切な人を守るため過酷な運命に立ち向かっていくダークファンタジーです。

　レムはスバルが滞在するロズワール廷のメイドで、さわやかな水色のショートヘアがよく似合う鬼族の美少女です。ある理由からレムはスバルに強い警戒心を持ち、彼を2度殺し「死に戻り」させています。しかしスバルが身を呈して自分を守ったことをきっかけに好意を抱き、献身的にサポートするようになりました。

　そしてアニメ18話では、レムやエミリアを守れず自身も無様な最期で「死に戻り」し、自虐的になっていたスバルに対し、レムは彼の好きな部分をひとつひとつ明かし、最後に「スバルくんを…愛しています」と盛大な告白をします。スバルには「俺はエミリアが好きだ」とフラれてしまうも、さまざまな苦難に立ち向かう彼の支えになることを誓うのでした。

　ネット上では「こんなに愛されているスバルがうらやましいよ…」「自分の嫁になってほしい」など、彼女の真っすぐに愛を伝える姿に心をつかまれるファンの声が相次ぎました。主人公への愛情だけでなく絶大な信頼関係も築いていることから、負けヒロインと一括りにはできない圧倒的な存在感があるキャラなのではないでしょうか。

イチゴ（画像：左）が描かれた『ダーリン・イン・ザ・フランキス』DVD[完全生産限定版]　(C)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会

●イチゴ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』

　男女一組で乗る「フランクス」を操り、人類の敵と戦うロボットアニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』に登場するイチゴは、主人公であるヒロの幼なじみで、しっかり者の優等生です。

　幼い頃からヒロに想いを寄せるも、彼のパートナーになったのは、フランクスに同乗した者を急速に老化させるという特異体質の少女、ゼロツーでした。イチゴは、ヒロと関わらないようにとゼロツーに告げたり、彼女の特異体質がヒロの身体に影響した際には、必要以上に責め立ててヒロから引き離そうとしたりなど、彼を想うゆえの行動や言動が目立ちます。

　極めつけにイチゴは、第15話で特異体質の件から気持ちがすれ違ったままのゼロツーを追いかけるヒロを引きとめ、一方的にキスをして「ヒロが好きなの」と告げました。しかしはっきりと返事がないまま、ヒロとともにフランクスに同乗した際に、彼のゼロツーに対する想いの強さを知ってしまうのです。

　実ることがなく終わってしまったイチゴの恋は「見ていてつらいほどの負けヒロインっぷり」「あんなに一途で報われないのが、なんかリアルなんだよな」といった声があがっています。しかし、最終的にイチゴは、自らのパートナーであるゴローと結ばれるため「負けヒロイン」とは言い切れないかもしれません。

■恋に敗れた末の闇落ちがつらい悲劇のヒロインも

魔法少女となったさやかの姿が描かれる『魔法少女まどか☆マギカ』画像はBlu-ray6（アニプレックス）

●美樹さやか『魔法少女まどか☆マギカ』

　魔法少女たちと、人間に危害を加える魔女との戦いを描く『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する美樹さやかは、主人公である鹿目まどかの親友です。明るく活発な彼女は、天才音楽少年の幼なじみである上条恭介に好意を抱いており、事故により入院中の彼を献身的にサポートしていました。

　さやかは、謎の生命体キュゥべえとの出会いで魔法少女の存在を知ります。そこで、2度とバイオリンが演奏できないと言われて打ちひしがれる恭介を救うため、葛藤の末「願いをひとつ叶える代わりに魔法少女になる」という契約をキュゥべえと交わし、命をかけた魔女との戦いに身を投じるようになるのです。

　さやかの契約はおろか魔法少女の存在でさえ恭介は知らないものの、足しげく見舞いにきていた彼女に何の連絡もせず退院します。さらに、さやかの親友であり自分と同じく恭介に恋心を抱く志筑仁美が、彼と交際する苦しい展開へと進んでいくのです。

　仲睦まじいふたりの様子を陰から見るさやかは悲壮感にあふれ、ふたりへの嫉妬や魔法少女であることの絶望から自暴自棄になっていく姿には「いい子すぎても損しちゃうんだな…」「とことん不憫なヒロイン」などの声が見られます。

　悲しい気持ちを「ブルー」で表現されることを考えると、青髪ヒロインが不遇な結末を迎えがちなのは納得できます。ヒロインの髪色に注目しながらアニメ鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。

（LUIS FIELD）