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鳥山明先生の残した伝説が衝撃的「ネームなしで執筆」「RPG知らずに『ドラクエ』制作」

マグミクス / 2024年3月16日 8時50分

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■超多忙な週刊連載を乗りきるための工夫

 漫画家の鳥山明先生は、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』といった不朽の名作を生み出し、マンガの歴史にその名を強く刻みました。元祖マンガの神様・手塚治虫さんに「鳥山明にはかなわんです」といわせたという逸話も有名ですが、今後もその偉業は永遠に語り継がれていくことでしょう。

 そこで本記事ではあらためて鳥山氏の足跡を振り返るため、その有名なエピソードの数々を取り上げていきます。

 鳥山さんといえば、卓越した画力によって知られていますが、それと同時に「筆が早い」ことも強い武器でした。過酷なスケジュールを強いられる週刊誌を主戦場としながら、ほとんど原稿を落としたことがないという鉄人っぷりです。しかもアシスタントもほぼ使っておらず、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などの長期連載中でそれぞれひとりずつ、すなわちたったの2名しか主要なアシスタントは存在しません。

 その一方で鳥山さんといえば、極度のめんどくさがり屋だったようですが、創作の際には手を抜くのではなく、天才ならではのやり方で作品のクオリティを保ってきました。一般的にマンガは、コマ割りや構図などをざっくり描くネームを制作し、その次に下描き、最後に清書となるペン入れを行います。しかし歴代編集者によると、鳥山さんはネームを書かず、下書きから原稿を書き始めて作業時間を短縮していたという証言もありました。

 ときには時間の都合で、さらなる離れ業を行うこともあったようです。例えば『鳥山明〇作劇場』第1巻に収録された「POLA&ROID」は水性ペンだけで描かれていました。『Dr.スランプ』連載中の忙しいときに45ページの執筆を強いられたことから、そうした工夫が必要だったらしく、話の内容も細かい部分は描きながら考えていったそうです。無駄を極限まで排除したマンガ制作への姿勢は、まさに週刊連載の申し子としかいいようがありません。

 ちなみに『Dr.スランプ』といえば、「アラレちゃん」こと則巻アラレを主人公とした作品ですが、別の人物を主人公にする予定だったという話も存在します。鳥山さんはもともと科学者である則巻千兵衛の方を主人公にするつもりで、アラレはむしろゲストキャラというポジションでした。

 そもそも「ハカセもの」を描くという方針を決めており、メカメカしいロボットを考えていたところ、担当編集者であるDr.マシリトこと鳥嶋和彦さんが「ボツ」と判断。そこで鳥嶋さんが気に入りそうな女の子のロボットを登場させることで、企画を通したのでした。

 鳥山さんはアラレを主人公にした方がいいと助言を受けても、それを拒絶していましたが、先に発表した女性主人公の読み切り「ギャル刑事トマト」の評判が良かったことから、意見を受け入れることにしたそうです。自分に興味がなくとも、世間が求めるものを的確に作り出せる、天性のヒットメーカーらしい逸話ではないでしょうか。

■ほとんど知識がないのに「RPGの王道」を創造

画像はファミコンソフト『ドラゴンクエスト』(エニックス)

 鳥山さんの画業はマンガだけではなく、国民的ゲームである「ドラゴンクエスト」シリーズでもキャラクターやモンスターのデザインを手掛けてきました。そこではスライムを筆頭として、革命的なデザインを多数生み出すことに成功しており、いわば「RPGの王道」を作り上げた立役者といえるでしょう。

 しかし実は最初に同シリーズに携わった1986年頃、鳥山さんはゲームに疎く、「ロールプレイングゲーム(RPG)」という言葉すらほとんど分からないレベルだったそうです。そもそも「ドラゴンクエスト」シリーズの仕事自体、鳥嶋さんから紹介されたものを軽い気持ちで引き受けただけでした。

 デザインにあたっては、堀井雄二さんのラフ画が元になっているとはいえ、経験値としてはほぼゼロからのスタートということになります。そこから40年以上にわたって愛されるデザインを生み出してしまうのはまさに偉業であり、到底真似できるものではないでしょう。

 しかも『ドラゴンクエスト』の仕事は、ちょうど『Dr.スランプ』連載の真っ只中で多忙を極めている最中のことなので、ますます驚くほかありません。

 ほかには都市伝説じみたエピソードもあり、鳥山さんが東京に引っ越すのを防ぐため、地方自治体が自宅兼事務所のバードスタジオから空港までをつなぐ専用の「鳥山ロード」を敷設した……とささやかれていたのは有名な話です。しかし鳥山さんの親友である漫画家である桂正和先生は、そのウワサを否定していました。

 さまざまな伝説に彩られた少年マンガ界の巨人、鳥山先生の足跡は、今後も多くのファンの記憶に残り続けることでしょう。

(ハララ書房)

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