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「魔法少女」に革命を起こした『魔法の天使クリィミーマミ』 既存作と何が違った?

マグミクス / 2024年3月29日 16時5分

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■あどけない女の子が魔法の力で誰もが振り向く美少女に変身!

 放送40周年を記念してさまざまなイベントが行われている『魔法の天使クリィミーマミ』(1983年)は、それまでの魔法少女アニメとは一線を隠す世界観と繊細な描写で唯一無二の魅力を放っています 。『クリィミーマミ』の魅力をひと言で表すならば「等身大」です。

『クリィミーマミ』は、それまで『ニルスのふしぎな旅』(1980年)、『うる星やつら』(1981年)など原作のある作品を脚色してきた「スタジオぴえろ」が初めて手掛けたオリジナルアニメです。それまでの魔法少女ものは前年放送の『魔法のプリンセス ミンキーモモ』に代表されるように、ほとんどの主人公は魔法の国の王女様という設定で、日常から切り離された手の届かない存在として描かれていました。

 それに対して『クリィミーマミ』の主人公「森沢優」は10歳の普通の女の子です。優の望みは自分を子供扱いする幼なじみの「大伴俊夫」に女の子として見てもらうことだけです。

 そんな優が1年の期限付きで魔法の力を授かり、16歳位の美少女に変身できるようになります。アイドルにスカウトされ、「マミ」としてのアイドル活動と優の日常を行ったり来たりするのです。

 優は『ひみつのアッコちゃん』(1969年)や『ミンキーモモ』のように、さまざまなプロフェッショナルの女性に変身することはできません。変身できるのは優よりも少し年上のマミだけです。また、変身した後の魔法でできることは、マイクや伴奏を作り出したり、照明を演出したり、マミのパフォーマンスをサポートすることに絞られていました。歴代魔法少女のなかでも、魔法の能力は限定的で弱かったのです。

 既存の魔法少女があくまでも「魔法」を主軸に置いているとするならば、『クリィミーマミ』の主軸は「日常」にあり、魔法やアイドルは日常を際立たせる小道具という立ち位置でした。

 現実とアニメの世界がところどころリンクしているのも特徴のひとつです。優とマミ役の太田貴子さんは、前年の1982年に『スター誕生!』で決勝大会に合格して芸能界デビューし、『クリィミーマミ』の主演に抜てきされ、主題歌「デリケートに好きして」も歌っています。第4話「スクランブル トップテン」では、当時の人気番組『ザ・トップテン』に似た歌番組にマミが出演するエピソードもありました。

 そして、最大の見どころが、その1年を通したストーリーの集大成とも言える最終回です。マミはデビュー1周年記念コンサートを最後に、ステージを去ります。1年間の魔法の期限が切れるときでもありました。

 日常を大事にした『クリィミーマミ』の魔法少女の世界は好評で、1984年『魔法の妖精ペルシャ』、1985年『魔法のスター マジカルエミ』などシリーズ化されました。

 魔法少女ものは、1992年『美少女戦士セーラームーン』以降、「戦闘する美少女」として巨大な悪と戦うように変わっていきます。少女のささやかな夢を具現化した『クリィミーマミ』は、今でも愛されてファンを増やし続けています。

(LUIS FIELD)

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