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「任天堂」採用ページの「人材に対する考え方」が反響 Googleとも共通する最重要事項とは

マグミクス / 2024年4月3日 7時10分

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■任天堂が考える原則出社の力

 任天堂が公開した「任天堂の人材に対する考え方」(https://www.nintendo.co.jp/jobs/human-capital/index.html)というページが大きな話題になっています。

 このページでは、任天堂が人びとに喜ばれる娯楽を作るため、どのように人材を育成し会社の力をつけていくかといったことが書かれています。採用に関する情報を公開すること自体は特に珍しくないわけですが、日本を代表する任天堂がわざわざ明文化したことが注目されているようです。

「任天堂の人材に対する考え方」は、任天堂に就職したい人のみならず、ゲーム好き、そして社会人としても見るべきものが含まれています。特に注目すべきポイントを紹介しましょう。

 一番気になるワードは、やはり「任天堂のDNA」です。いわば任天堂らしさといったところで、これは「独創性」「柔軟性」「誠実さ」といった言葉で表現されています。

 独創性はそのとおり、新しい楽しさ・面白さを提供し続けること。柔軟性は、世の中の変化に対応すること。そして、誠実さはうぬぼれずにすべてのことに向き合うこととなっています。

 たしかに、これは任天堂らしさといえるでしょう。任天堂はファミリーコンピュータやWiiといった大きな成功をしていますが、それでも新しい挑戦は続けています。一方で、Wii Uなどの失敗を反省しつつ、Nintendo Switchを生み出すことに成功しました。

 ゲームソフトでも独創性を目指しています。「ゼルダの伝説」シリーズもNintendo Switch移行で大きく中身が変化しましたし、Wii Uというハードは成功したと言い難いものの「スプラトゥーン」シリーズを生み出しました。ダンボールでコントローラーを作る「Nintendo Labo」シリーズや、ビデオゲームとラジコンを組み合わせた『マリオカート ライブ ホームサーキット マリオセット』も印象深いタイトルです。

 任天堂の次世代機としてはNintendo Switchのスペックアップ版を望む声が大きいですが、やはり柔軟に独創的な何かを考えているのかもしれません。ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスを経営の中核にすることは明言されているため、少なくとも任天堂のハードだからこそ遊べるゲームは今後も出続けるでしょう。

■必要なのは対面のコミュニケーション。だからこそ名作が生まれる。

『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』は、マリオたちがさまざまなワンダー(驚き)に遭遇する2Dアクション。その革新性が高く評価されている 画像は任天堂公式サイトより (C)Nintendo

 そして、もうひとつ重要なのがコミュニケーションを特に重視しているところです。

「任天堂の人材に対する考え方」では、「顔を合わせて密度の高いコミュニケーションをとることが効果的と考えています」と表記されています。今やリモートワークも当たり前になりつつありますが、それでも実際に会うことを重視しているのです。

 実は、リモートワークを避ける企業は少なくありません。Googleは完全リモートワークを原則禁止にしていますし、HONDAも原則出社を決めていたりと、大手企業ではかなりありうる話なのです。

 リモートで話し合うことも可能ではありますが、顔を合わせてコミュニケーションをすることに比べると情報量が大きく減少します。相手の身振り手振り、細かな表情の変化、会話のテンポなど、パソコン越しでは失われるものが大きいのです。

 何より、任天堂が濃密なコミュニケーションによってどういうものを生み出しているのかを考えれば、対面で話し合うことの重要性がわかります。

 任天堂は、アメリカで開催された「GDC 2024」(Game Developers Conference)にて、ヒット作をどのように作り上げたかの講演を行いました。その情報によると、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においてもコミュニケーションが重要だというのです。

 ファミ通.comが2024年3月21 日に配信したレポート記事によると、荷馬車のような複雑なものを設計する際にコミュニケーションが重要だったとされています。車輪のサイズ・位置を物理的な挙動から決まり、それに合わせてアーティストが見た目を作り上げていったとのこと。

 同じく、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』においてもコミュニケーションが重視されています。本作にはさまざまな驚く仕掛け「ワンダー」が用意されているのですが、それもチーム全員でアイデアを出し合ったそうです。

 それこそベテランのサウンドディレクター近藤浩治さんも、入社1年目のプログラマーもアイデアを出し、それが実際に採用されるわけです。なお、過去には「メイドインワリオ」シリーズでも同様のブレインストーミングをしており、多くのアイデアを生み出していました。

 ひとりで可能なことは限られていますが、うまく協力すれば大きな力を発揮できる。極めて当たり前の話ではあるものの、世界で通用する独創的な商品やサービスを作るためにはそれを最大限活かす必要があるのでしょう。

(すすだま)

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