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ファミコンのゲームを遊ぶと「しんどい」問題 最近のゲームが「親切過ぎ」?

マグミクス / 2024年4月1日 21時25分

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■レトロゲームはなぜ「しんどい」のか?

 先日、10代後半の若いゲーム好きの方と話す機会がありました。その方は最新ゲームはもちろんレトロゲームもたしなんでおり、かなり意欲的なゲーム好きだったのです。

 話を聞いていると、「レトロゲームは楽しいのもあるけれども、しんどいのもけっこうある」という話になりました。たしかに今になって遊んでみると、なかなかつらいものも多いです。

 たとえばファミリーコンピュータで発売された『忍者龍剣伝』は難しいゲームとして有名ですが、その難しさの質が問題です。鳥に当たってノックバックで落ちて死亡、ボスに挑戦するもよくわからないまま死亡など、理不尽さを感じさせる場面が多かったりします。

 ゲームは常に進化を続けており、実は遊びやすさも今と昔では大きく違うのです。この記事では、その流れを紐解いていきましょう。

 そもそも家庭用ゲーム機以前は、ゲームはたいていゲームセンターで遊ぶものでした。『スペースインベーダー』や『パックマン』などが人気になり、技術の向上によって次第に家庭用ゲーム機版が出るようになり、今では立場が逆転しました。

 ゲームセンターのゲームの場合、コインを入れて遊ぶ形式です。つまり、コインを入れるような仕組みであればあるほど儲かる。ゆえに最初のステージは楽しく遊ばせても、その後の難易度が急に上がったりするのです。

『忍者龍剣伝』が難しいのはこの文脈にあるからだと考えられます。『ロックマン』も初代はゲームセンターの名残りでスコアがありましたし(スコア争いがゲームセンターならではの遊びだった)、『スーパーマリオブラザーズ』の残機制や残り時間も、遊ぶ時間をなるべく短くするような仕組みでした。

 逆に、今の買い切り型ゲームはなるべくクリアまで楽しんでほしいというおもてなし精神が現れていることが多いです。もちろん基本プレイ無料のゲームなどが登場してまた性質が変わっているところもありますが、とにかくゲームセンター時代にあったような雰囲気は消えています。

■今のゲームはそもそも「考え方」が違う

『スーパーマリオブラザーズ』の操作は2Dアクションのスタンダートとなっているが、当時はまだ操作体系もいろいろなものが模索されていた (画像は任天堂公式サイトより)

「昔のゲームがしんどい」と思える理由はいろいろと考えられます。まず、操作性がよくなったところが重要です。

 まだゲームの歴史がそこまで積み重なっていないころは、どのようにゲームを操作するかも手探りでした。たとえば『スーパーマリオブラザーズ』は十字キーで移動、Aでジャンプでしたが、それ以前に出たゲームでは十字キーでジャンプ、A・Bボタンで移動なんてものもありました。

 当然ながら時代が進むにつれ、どの操作が最適なのかの研究も進んできます。また、ユーザー側もゲームの進化に慣れてきて、今や「右スティックでカメラ操作」のゲームも当たり前になっていますが、これも一昔前は難しいので避けるべき操作と考えられていました。

 セーブが消えにくくなったのも大きな要因です。それこそ『ドラゴンクエスト』シリーズで「ぼうけんのしょ」が消えて、あのサウンドを聞いてトラウマになった人はたくさんいるでしょう。もっと遡ると、「ふっかつのじゅもん」を手書きでメモする時代すらありました。

 しかし、現在のゲームはセーブが消えにくいです。それどころかオートセーブが当たり前になっているため、手動セーブをほとんどしない可能性すらありえます。もちろんセーブデータが消える可能性はゼロではないのですが、クラウドでのバックアップなどに対応しており安定感が段違いです。

「セーブしてなかったのでやり直し」だとか「セーブデータが消えたので最初からやらなければならない」といったことが減ったわけで、格段に遊びやすくなったのはたしかです。

 また、グラフィック表現の幅が広がったことによりストーリーも重視されるようになりました。今やストーリーが感動的・衝撃的な作品は珍しくないですが、ファミコンの頃はとても簡素でした。

 ストーリーを魅せるゲームの場合、最後まで見てもらうことが重要になります。ゆえにクリアさせる意義が増え、ややこしさや難しさは取っ払うようになっていきます。

 何より、こういった「遊びやすさ」が評価されるようになりました。昔はゲームを遊ぶにしても一本のタイトルを買って遊び尽くす……という感じでしたが、今や基本プレイ無料や低価格のゲームがたくさんあるわけです。

 いろいろなゲームを試して気に入ったものを遊ぶ状況なので、遊びにくくて脱落する作品は避けられがちです。もっとも、インディーゲームにおいてはあえて遊びにくくして魅力を出す作品もあったり、むしろ古いゲームの良さを活かす新しいシステムを用意した作品もあり、本当にゲームも多様になってきました。

 改めてファミコンのゲームを遊ぶと、「昔はこんなしんどいことをやっていたのか!」と驚くばかりです。今がどれだけ変化したのか、しみじみと感じ入ってしまいます。

(すすだま)

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