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いつも980円だった『グラディウス』 お年玉もおねだりも使い果たした小学生の後悔

マグミクス / 2020年4月25日 8時50分

いつも980円だった『グラディウス』 お年玉もおねだりも使い果たした小学生の後悔

■いつも電気店の広告に載っていた『グラディウス』

 1986年4月25日に発売されたファミコン版『グラディウス』は選択式パワーアップというギミックを取り入れた傑作横スクロールシューティングとして人気を博しました。また、デバッグコマンドとして実装されていた上上下下左右左右BAこと「コナミコマンド」が裏技の代名詞として今もさまざまなゲームで使用されているなど、ゲームの歴史に大きな足跡を残しました。当時、ファミコンカセットを安売りしていた電器店で980円の『グラディウス』を購入した記憶を持つ早川清一朗さんが当時の記憶を語ります。
 
* * *

 ファミコン世代で『グラディウス』を知らない人はいないでしょう。ファミコンとしてはハイレベルなグラフィックとBGM、カプセルを回収して行う自機「ビックバイパー」の段階的パワーアップ画面いっぱいに配された大量のモアイなど、『グラディウス』が見せてくれた世界はかつてのシューティングゲームとは桁違いのものでした。
 
 アーケード版『スペースインベーダー』からわずか8年で、家で『グラディウス』ができるようになったすさまじい進取の時代に渦巻いていた、作り手たちの「やってやる!」という熱意のすさまじさは今さらながらに感じるものがあります。

「コロコロコミック」や創刊間もないファミコン雑誌で『グラディウス』の存在を知った筆者は強い興味を惹かれましたが、迷いに迷います。ちょうどこの時期はファミコンカセットがたくさん出始めた時期にあたり、欲しいタイトルが複数あったのです。ねだりにねだって1本だけなら買ってもらえることになったので、最終的に筆者は『マイティボンジャック』
を選んでしまいました。当時の決断理由は今の自分にはまったく分かりません。すなわち永遠の謎です。

 それからしばらくは3月に残しておいたお年玉で購入していた『ハイドライド・スペシャル』と『マイティボンジャック』を交互にプレイし、なんとも言い難い時間を過ごしたような記憶があります。この年は夏に『ワルキューレの冒険』も購入しているので、忍耐力はこの時期に大分鍛え上げられた気がします。

■いつ見ても980円!

初代『グラディウス』と『グラディウスII』が収録された、プレイステーション用「グラディウス デラックスパック」(コナミ・デジタルエンタテインメント)

 その後、近所のおもちゃ店の試遊台で『グラディウス』をプレイする機会があったのですが、グラフィックの素晴らしさ、テンポのいいBGM、次々と現れる異形の敵を見て「こっちを買えばよかった!!」と心底後悔した記憶があります。

 とはいえこれ以上カセットをねだるチャンスなどひとかけらもありません。お年玉も母親へのおねだりも使い尽くしています。そうこうする内に次々と面白そうなカセットが次々と発売され、興味はそちらに移っていきました。そんなある日、当時日課のようになっていた、電器店のチラシチェックで『グラディウス』が980円で売られていることに気付いたのです。

 あんなすごいゲームが980円で買えることに心底驚きましたが、小学生にとってはいきなり用意できる額ではありません。『グラディウス』を手に入れるチャンスなのに……と、悔しい思いを抱えていたような記憶があります。

 ところが、次のチラシも、そのまた次のチラシでも『グラディウス』は980円のままだったのです。まだ小学生の筆者には、作りすぎや仕入れすぎという概念は分かりません。ゲームの値段がどのように決められているのかも知りません。

 ただひとつだけ「ゲームのすごさと値段って、関係ないんだ」ということを、このとき理解したように思います。安いゲームのなかにも面白いゲーム、すごいゲームはあるんだと知った筆者はその後、中古カセット店で掘り出し物を探そうとして次々とクソゲーをつかむことになるのですが、それはまた別のお話。

 最終的には筆者も『グラディウス』を購入し、その後数年は遊んでいました。コナミコマンドなしやバリヤなし、オプションなしといったさまざまな縛りプレイも堪能しつくし、980円とは思えないほどの満足感を得られた記憶があります。

 また、大塚食品のカップ麺「アルキメンデス」のタイアップ版として『グラディウス アルキメンデス編』が製作されましたが、これは当時としては極めて珍しい、ゲームと食品のコラボだったような気がします。このべージョンはパワーアップカプセルが「アルキメンデス」のパッケージ型になっており、今はかなりのプレミアがついているそうなので、一度現物を見てみたいものです。

(早川清一朗)

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