スパロボ参戦『星銃士ビスマルク』 記憶を呼び戻したMIO『不思議CALL ME』
マグミクス / 2020年5月3日 16時10分
■忘れ去っていた『ビスマルク』
1984年から85年にかけて放送された『星銃士ビスマルク』(以下、ビスマルク)は、『魔法の天使クリィミーマミ』などの人気アニメを制作し高い評価を受けていた「スタジオぴえろ」が初めて手掛けたロボットアニメです。異彩を放つロボットデザインや分かりやすいストーリー展開などが好評を呼び、当初半年の放送予定が1年に延びるほどの人気を獲得しました。確かに楽しんで見ていたはずなのに、ある出来事が起こるまで『ビスマルク』の存在を忘れていた早川清一朗さんが、思いを語ります。
* * *
筆者が子供の頃、TVはロボットアニメにあふれていました。 再放送も頻繁に行われており、『機動戦士ガンダム』や『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』などの人気作は延々とリピートされ続け、子供たちの脳裏に刻み込まれていきました。
しかしながら、あまり再放送が行われなかった作品も数多く存在しています。まだビデオデッキすら普及しきっていない時代、本放送を楽しく見終えると、もう出会う機会がなかったアニメも多かったのです。
関東地方での『ビスマルク』の放送は日本テレビで日曜の10:30から。人気絶頂『キン肉マン』の次の時間帯です。筆者は当然のように『ビスマルク』を見ていたはずでした。しかしその後、触れる機会はなく、いつしか記憶の底に埋もれていったのです。
その記憶が呼び覚まされたのは大学時代、当時所属していたゲームのサークルの合宿の時に起こったある出来事でした。
サークルの合宿は、民宿を借り切って数日間の間、みなで好きにゲームを遊んだりアニメを見たりするという、それは楽しいものでした。そのとき、ある先輩が持ち込んできたのがロボットアニメのオープニングと映像をまとめたビデオでした。当時は今のように自由にアニメの映像や音楽を見られる時代ではなく、マニアが必死に集めた映像を切り貼りして作られた、お手製のビデオが出回っていたのです。何度も何度もダビングが繰り返され、画質も音質もガタガタになっていましたが、それでも他に懐かしい歌声と映像に触れる手段はなく、貴重な品として扱われていたのです。
■MIO(MIQ)の歌声が脳に響いた
『不思議CALL ME』も収録『MIO(MIQ) パーフェクト・ベスト』(キングレコード)
懐かしい映像をみんなで見ていた時に、不意に流れだしたのがMIO(現:MIQ)さんの歌う『ビスマルク』のオープニング曲『不思議CALL ME』でした。それまですっかり『ビスマルク』のことを忘れていたはずの筆者の脳は、その瞬間に殴られたような衝撃を受け、思い出すこともなかった『ビスマルク』のことが、頭のなかに一気に蘇ってきたのです。あれは不思議な経験でした。MIQさんの透明感のある力強い歌声には、記憶すら呼び起こすほどのすさまじい力があるのだと思い知らされました。
それからしばらくの間、筆者は『ビスマルク』を見るために奔走しましたが、VHSもLDも出ておらず、TV放送を録画している人もいなかったため視聴はかないませんでした。
しかし2002年になり、ついにDVDが発売されます。当時お金がなかったのでBOX1だけ購入して2は見送ったのですが、今では高騰してしまい手が出ない状態です。それでも良質なオープニングや作品自体を見ることができるようになったことには安堵しました。
17年ぶりに見た『ビスマルク』でしたが、強化服・プロテクト・ギアをまとった主人公チームの軽やかなアクションや掛け合いが重視されている作品であると感じました。ストーリーは全体として軽やかで、キャラクターのやり取りのテンポもかなり良く、今でも視聴に耐える良作です。特に島田敏さん演じるリチャード・ランスロットが騎乗するスペースホース「ドナテルロ」は見たら忘れられない印象的な存在と言えるでしょう。もちろんビスマルクも、全砲門一斉射撃「オルガニックフォーメーション」できっちり最後をしめ、水戸黄門の印籠のような存在感を見せてくれます。
そんな『ビスマルク』がついに『スーパーロボット大戦X-Ω』で「スパロボ」シリーズに期間限定とはいえ初参戦を果たします。長い間、未参戦作品として名前が挙がっていた本作の参戦には並々ならぬ苦労があったかと思います。これを機に、ブルーレイとして再発売されないかと切に願っております。かすかに記憶に残っている、解体したはずのビスマルクに、突然2号機が登場した48話をもう一度見たくて仕方がありません。
(早川清一朗)
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