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プロレスゲームの傑作『キングオブコロシアム』 エディットレスラーで夢の対戦に明け暮れた

マグミクス / 2020年5月4日 19時10分

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■好きなレスラーを集めて闘わせる「エディットモード」

 新日本プロレスの中継、「ワールドプロレスリング」が金曜の夜8時にNET系列(現・テレビ朝日)で放映され、全日本プロレスの中継が土曜の夕方5時半から日本テレビ系列のブラウン管を飾っていた1980年代……。

 当時は全日本プロレスからA・ブッチャーが引き抜かれ、逆に新日のS・ハンセンやT・J・シンが全日に移籍するといった出来事があり、プロレスがかなり“アツい”時代でしたが、ゲームの世界でもアーケード機として1983年に『ザ・ビッグプロレスリング』が登場。翌年に『アッポー』、さらにその翌年には『エキサイティングアワー』が登場し、「名勝負数え歌」のごとくプロレスゲームの歴史が紡がれていきます。

 そのなかで筆者が忘れられない1本が、2002年12月にプレイステーション2用ソフトとして発売された『キングオブコロシアム』(以下、キンコロ)です。

 これまでリリースされたプロレスゲームでは、「ファイヤープロレスリング」シリーズをベストに挙げる方も多いと思いますが、この『キンコロ』は、まさにその直系の進化版。1996年にプレイステーション用として販売された『ファイヤープロレスリング アイアンスラム96』、そして1999年の『全日本プロレス~王者の魂~』など、ヒューマンが開発・販売し、その後スパイクへと受け継がれた路線が、しっかりと「闘魂伝承」されたシステムとなっています。

 もちろんゲームとしてのやりこみ度や操作性という点では「ファイプロ」シリーズが最も優れているという意見には、筆者も同意するところなのですが、『キンコロ』の魅力といえば、何よりも「エディットモード」で作ったレスラーをコンピュータ同士で闘わせることができるという点です(他のゲームでも可能ですが)。

 例えば、現実世界では実現不可能だった夢のカードを、プロレスのリングはもちろん、総合格闘技でも再現して楽しめます。自分で作ったキャラクター同士を闘わせ、それをただただ眺めるという行為は、ともすれば変人扱いされてしまうのかもしれませんが、『キンコロ』に関しては、あたかも「アブダビコンバット」を主催するアラブの王子様のごとく、好きな格闘家を集めて闘わせ、観戦を楽しんだという方も多いのではないでしょうか? 

■ファンなら感涙ものの対決も再現可能に

レスラーや技などのボリュームを増した続編の『キングオブコロシアムII』(スパイク)

 レスラーのエディットモードは、2004年に発売された続編の『キングオブコロシアムII』では、ベースとなる「サンプル・レスラー」が162名も用意されている上、それぞれの「スキル」や「技装備」、その行動を司る「COMロジック」がパターン化されているので、たとえばアントニオ猪木選手をモデルにした「ビクトリー武蔵」や、ジャイアント馬場選手がモチーフとなる「グレート司馬」、前田日明選手イメージの「冴刃明」など、かなり現実に沿った設定が可能です。

 細かい技設定やコスチュームの微調整、そしてお約束のレスラー・リ・ネームをすれば、昭和のプロレスファンが夢に思い描いた「猪木対馬場」や、プライドが元ネタの「BLADE」リングの総合ルール設定で「ヒクソン対ヒョードル」が再現できるというのは、ファンならば感涙ものではないでしょうか?

 エキシビジョンマッチのモードでは「新日」、「全日」、「ノア」の(当時の)3大メジャー団体はもちろん、総合のリングや「UWF系」の3団体、インディーなどのリングが用意され、ルールも「プロレス」はもちろん、「総合格闘技」や、かつてのUWFに則った「U-FILEルール」、オンリーギブアップやランバージャックなどが自由に設定可能。また、観客層も各団体のファンや総合格闘技系ファン、U-FILEファンなどが設定でき、試合後の「観客満足度」がルールや内容によって変化するといったマニアックな内容も盛り込まれています。

『キンコロ』のパート1にあたる「赤」「緑」の2枚組ディスクでラインナップされていたパンクラス勢が『キンコロII』でなくなってしまった点は残念ですが、発売から16年の時を経た今も十分楽しめるソフトです。

「プレイステーション」の最新機種が「4」となった現在では、アメリカのプロレス団体である「WWE」の一強状態が長らく続いていますが、新日を中心にプロレス人気も復活しています。

『キンコロII』のマッチメーカーモードで「プロレス界のど真ん中」を目指した団体、「WJ」で永島専務のグチを聞きながらプレイするのも、マニアにとってはそれはそれでコク深い楽しみ方ですが、そろそろ「レインメーカー・オカダカズチカ選手」や「内藤哲也選手」が登場するような、新しい「キンコロ」の登場をファンとしては待ち望みたいところです。

(渡辺まこと)

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