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小6女子お気に入りの”斜めがけ鞄”に→男子高校生が「それわざと?」 その意味にゾッ「これも性加害」「パイスラは気持ち悪い名称」経験談も殺到

まいどなニュース / 2024年3月7日 7時20分

魚田コットンさんXより『鞄の斜め掛けが怖くなった話』の一コマ

小学6年生の頃お気に入りだった黒い斜めがけカバン。しかし、ある男子高校生のひとことで持てなくなってしまったエピソードを漫画家の魚田コットンさん(@33kossan33)が、X(旧Twitter)に投稿し、大きな反響を呼んでいます。

魚田さんが、友達と小学校へ行ったところ、卒業生だとおぼしき男子高校生2人が校門前に。挨拶から何気ない会話がスタートし、はじめての高校生とのやりとりに友達と魚田さんはちょっと大人になったような気分を感じていたのでした。

しばらく談笑していると、一人の高校生が魚田さんに向かって言います。

「ねぇ それってさ わざと?わざと胸強調するために斜め掛けしてるの?」

にやにやしながら、胸に斜めにかかったカバンの紐を指さしたのです。

「えっ!?!?こういうカバンって斜め掛けしないの…?恥ずかしい…!どうやって返事したらいいんだろう…」にやにやしている高校生たちを見て、咄嗟にからかわれてるだけだと悟った魚田さん。「そんなんじゃないし~」と笑って流してその場をやりすごしました。

高校生とバイバイした後もモヤモヤは消えないまま。挙句、一緒にいた友達は「コットン、高校生にモテてたね!」という始末。内心「あの顔はそういうんじゃない」と確信していた魚田さんは、もう今までのように斜め掛けをすることができず、肩紐を長くする持ち方になりました。「あの言葉は私にまたひとつ呪いをかけた」と漫画を締めくくっています。

この漫画投稿が550万回以上表示され、1500件以上のコメントが寄せられ、同じような思いを抱えた女性が続出しました。

だれの日常にでも起こりうる性的被害を、新刊『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』で描いた魚田さんにお話を聞きました。

地方だし昔の人だからかな…と思っていたら

――さぞ記憶に残る出来事になってしまったのですね。小学6年生にとって高校生の異性と話す経験は大人びた感じもあり、楽しくなったのもわかる気がします。

どんなことを話していたかはあまり覚えていないのですが、「6年生ならもう卒業だね」や「どこの高校ですか?」「高校は楽しいですか?」など本当に他愛のない会話だったと思います。だからこそ、いきなり斜め掛けについて言及されるとは思わずびっくりしました。

――思わぬ一言に大きく傷つき戸惑ったかと。この出来事の後、斜め掛け鞄は?

この出来事以降しばらくの間、斜めがけはしていましたが胸の真ん中に紐が通らないように気をつけたり、常に紐を片手で持っていました。

現在はボディバッグを愛用しているので斜めがけバッグをあまり使わなくなったのですが、たまに使うときもあまり気にしていないので、呪いは解かれています。

――コメントに「π/」「パイスラッシュ」といった言葉が多数寄せられ、皆さん困惑したり嫌な思いをした経験をお持ちでした。魚田さんはこの言葉はご存知でしたか?

「パイスラッシュ」という言葉は知っていました。いつ頃知ったかは覚えていませんが、ネットスラング的なものだろうという認識でしたが、写真集などがあるというのは今回の漫画の反応などをみて知りました。

――今回の漫画投稿にたくさんの反響があり、「知らないおっさんに言われた」「上司に言われた」「元彼がこういうタイプだった」など同じような経験をされた方がたくさんいらっしゃいました。

斜め掛けのカバンに限らずなのですが、私が地方住みのせいなのか、ちょっと派手な恰好をしたり、少し露出の多い服を着ると、親世代以上の周りからよく「みっともない」という言葉を投げられることがあります。

それは地方だし昔の人だからかなと思って聞き流すようにしていたのですが、現代のSNSでもそういった言葉を投げつけるコメントをよく見ます。SNSは匿名性が高いと思っているのか、ひどい言葉を投げつける人が本当に多いです。「ブスのくせに」や「デブなのに」など、人の見た目に難癖をつけるのはタブーだということが浸透していってくれるといいなと思います。

◇  ◇

今回の魚田さんの投稿には、
「昔の嫌な記憶が… 体の発達が早くて背も大きかったから、周りにからかわれること多かったな。お気に入りのカバンを持つのが怖かった。胸を強調しないように、いつも猫背気味だったよ」
「意図せず性的に見られるの、ほんとつらい。それから斜めがけしてても紐を手で握って浮かせたりするようになった。軽くトラウマ」
「こういう言葉が一生の呪いになってしまう。特に小さい頃は。辛い経験をされましたね…」
「きっと高校の同級生の女子とかには絶対言わないんだろうな…小学生女子でこの先あまり会わない関係性、かつ下に見てたから確信犯的に言ったんだろうな…許せない」
「斜めがけ、手がフリーになるし、物が取り出しやすくてサイコーなのにパイスラという言葉が生まれてから使いづらい」
「私も大人の男に小3くらいの時に言われて愕然としましたねぇ…ショックすぎて」
「私はこれをクラスメイトの女子に言われました。あとは男誘ってるとか。胸強調して気持ち悪いとか。撃ってくるのが異性とは限らないんですね。何も考えずに斜め掛けしてる自分の方が異常なのかと暫く悩んで落ち込みました」
男性からだけでなく女性からも嫌味を含んだ指摘をされることが多くあるようです。

性的な視線で見てしまうことを「男とはそういう生き物だ(性だ)」と言われてしまったらそれまでですが、「面白半分や卑猥な言葉でからかうことは性加害の一つである」と、もっと周知されても良いのではないでしょうか。思春期の多感な時期はもちろん、いつだって身体を揶揄するような言葉は許されるものではありません。

何気ない仕草や風貌、ファッションなどに対して男女問わずセクシャルな言葉を無意識に投げてくる現実は、今なお全く変わっていないようにも感じる世の中です。自衛はもちろん大切ですが、誰しもが思いのままにファッションやヘアスタイルなどを楽しむ権利があるはず。本来気にしなくとも良いはずの自由が奪われてしまっていることを、魚田さんの漫画を通して改めて感じました。

魚田さんは、このたび新刊『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』を発売。性被害に遭い続けた自分を無意識に責め自己否定を繰り返してきた過去から、自身を苦しめていた呪いを解き、スカートを手に取るまでの物語を描いています。

「一番伝えたいことは、『被害者はどんなことがあろうと悪くない』ということです。もしかすると誰かに話した時に被害を矮小化されたり、自分でも『これくらいで騒ぐのはよくないかもしれない』と思ってしまうことがあるかもしれませんが、どんなことでも『自分が嫌だと感じたことは悪くないんだ』ということに気付いてもらいたいです。それで周りに何か言われたとしても、言ってくる方が間違っているということを頭の隅に置いておいて、自分自身を大切にしてほしいなと思います」と魚田さん。当事者だったからこそ描くことのできる思いが描かれています。

【魚田コットンさん関連情報】
■新刊『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(出版社:オーバーラップ・1320円)

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)

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