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能登の被災3市町で1年遅れの成人式 「復興支えたい」決意新た

毎日新聞 / 2025年1月11日 19時13分

式の冒頭で昨年の能登半島地震と豪雨の犠牲者に黙とうする参加者=石川県珠洲市で2025年1月11日午前10時半、国本ようこ撮影

 能登半島地震の被災地で11日、1年遅れの成人式が開かれた。対象は2023年度に20歳となった石川県輪島市、珠洲市、穴水町の計397人で、参加者は地元への思いや決意を新たにした。

 珠洲市の「ラポルトすず」であった式には79人が出席し、地震や昨年9月の豪雨の犠牲者に黙とうした。出席者を代表して、看護師を目指す金沢大3年の杉滝美颯(みはや)さん(20)が「困難に直面した時こそ、人々の支えとなり地域社会や未来をよりよいものにするため力を尽くしていかなければなりません」と誓いを述べた。珠洲市街では地震の影響で営業する飲食店が少なくなっているため、地元商店街の組合が、軽食やアルコールをふるまった。

 金沢市の専門学校で看護を学ぶ藤尾翠夢(みむ)さん(20)は「1年前はこの会場も被災し悲惨な状態だったので、開催は感謝しかない。卒業後は看護師としてお世話になった珠洲の人たちの手助けをしたい」と話した。

 輪島市は市立輪島中で式が開かれ、125人が出席した。誓いのあいさつを読んだ常葉大3年の塩山仁志さん(21)=静岡市=は「地震と豪雨があったので、昨年用意していた原稿を書き換え、家族や地域への感謝を込めた。輪島で教職について地域の復興を支えたい」と語った。

 自宅が全壊し仮設住宅で暮らす輪島市の会社員、沖崎永愛(とあ)さん(21)は「家から運び出せた母の着物で参加できてうれしい。輪島の町が元に戻り、皆が安定して暮らせるようになったらいい」と願った。【国本ようこ】

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