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「より強い介入が必要だった」 神戸6歳虐待死、第三者委が検証結果

毎日新聞 / 2025年1月24日 20時38分

男児が虐待死した事件を巡り、行政による対応の問題点を洗い出した検証委員会=神戸市中央区で2025年1月24日午後1時、大野航太郎撮影

 神戸市西区で2年前、保育園児の穂坂修(なお)ちゃん(当時6歳)が母親や叔父らから虐待を受けて死亡した事件で、市の対応を調べてきた第三者委員会は24日、検証結果を明らかにした。事件発覚の1カ月以上前には市の児童相談所(児相)が修ちゃんを一時保護する必要性があったと指摘。組織間の連携不足により「リスク検討が不十分だった」と批判した。

 委員長の永瀬裕朗・神戸大大学院特命教授は記者会見で「初動から小さなミスが積み重なった。危機感を積極的に報告する仕組みに見直すべきだ」と訴えた。

 報告書によると、2023年4月20日、保育園が修ちゃんの尻や肩にあざを発見。4日後に連絡を受けた区職員が家庭を訪問したが、修ちゃんとは会えず、母はあざに「心当たりはない」と説明した。

 区職員は5月1日に再び家庭訪問し、修ちゃんの耳にあざがあるのを確認。家族は一時保護を承諾するも、同9日に叔父が「必要ない」と拒否したことから見送られた。修ちゃんの遺体は6月22日、草むらでスーツケースに入った状態で見つかった。

 一連の対応について、報告書は最初の家庭訪問で修ちゃんに面会すべきだったと指摘。虐待を疑う情報を得てから48時間以内に子供の様子を確認するというルールから逸脱しているとし、「より強い介入が必要だった」とした。

 区や児相は5月2日以降、修ちゃんの安否を確認できていなかった。報告書はこの時点で一時保護を実施する必要性が高かったと指摘。児相は警察とも連携して「具体的に動くべきだった」と述べた。

 報告書は区や児相、保育園など関係機関での情報共有が不足していたことも批判した。オープンな議論による意思決定がなかったとし、「円滑なコミュニケーションがあれば、命が失われる重大な事態が防げた可能性がある」とした。

 一方、再発防止に向けては、リスク評価への意識改革▽情報共有する仕組みの拡充▽職員らへの研修の強化――などを提言。「子供の利益」を最優先するよう求めた。報告書を受け、丸山佳子・市こども家庭局副局長は「指摘を受け止め、対応状況を見直したい」と述べた。

 この事件では母親の沙喜(36)、叔父の大地(33)、叔母で双子の朝美(ともみ)(32)、朝華(あさか)(32)の4被告が関与したとされる。神戸市西区の自宅で23年6月、修ちゃんの背中を鉄パイプで殴るなどして死なせたとして傷害致死などの罪に問われている。公判日程はまだ決まっていない。【大野航太郎】

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