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女芸人No.1決定戦「THE W 」は止めて男の芸人と競うべき

メディアゴン / 2021年12月16日 16時51分

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高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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12月13日金曜日に放送された女芸人No.1決定戦『THE W 2021』(日本テレビ)を見た。かつてはごく一部の女にしか笑いはできないと言われたものだ。その理由は「女は張り倒せないから」と男が言っていた時代はどのくらい昔のことなのだろう。

女芸人のレベルはどんどん上がってきている。というのが番組全体の印象だ。

まずはAブロック。

【ヨネダ2000(吉本興業)】うまい。ただ、「どすこいどすこい」と突っ張りをしている相方の前をゲームの主人公のようにうまくよけながら通るギャグのとき、自分から当たりに行っているように見えるのは台無しだ。これはネタを「やりに行っている」から駄目なので、わざとらしいにつながる。うまく避けられたほうが拍手が来る。

【紅しょうが(吉本興業)】しゃべくり漫才。この実力なら、劇場出演の依頼は途切れないだろう。フリートークが必要なテレビ芸人になりたいのだろうか。フリートークならVTR出演をした明石家さんまが発言していたように「足踏みトーク」をしない練習をしよう。「足踏みトーク」を僕なりに解釈すれば前に進まないトークだ。となれば前に進まない笑いもつまらない。

【茶々(吉本興業)】ピンの女芸人はどの人を見ても、友近と同じだと思ってしまう。

【TEAM BANANA(吉本興業)】大阪弁じゃないのがものすごく好ましい。

【オダウエダ(吉本興業)】学園祭の出し物みたいだ。

Aブロックの勝ち残りはオダウエダだったが、多くの人が納得する結果だったのだろうか。

続いてBブロック。

【天才ピアニスト(吉本興業)】よく考え抜かれた設定のコントだった。「ドアを開けて出てきて子供を食事に呼ぶお母さん。でも子供は来ない。実はその芝居が…というコントだが、もったいないところもあった。ツッコミの竹内知咲の仕事は、相手のますみを、徹底的に動かすことだ。動かすために竹内は「できるだけ曖昧に的確な指示をだす」ことを心がけねばならない、ドアの開け締めを早くさせたいなら「芝居を止めて早く」との指示は具体的すぎる。「早く」だけでいい。芝居をやめるかどうかは相手に任せれば、ツッコミの指示が曖昧なら曖昧な分だけ相手の動きの手数はまだまだ増えていく。女でコントができる芸人は貴重だ。面白さはインパルス以来だ。

[参考]<キングオブコント2021>泣くな蛙亭、おめでとう空気階段

【女ガールズ(なつきガールズのみ吉本興業で他はアマチュア)】まあ、素人さんである。

【ヒコロヒー(松竹芸能)】知性を感じさせるネタだった。笑いの数は少ないが、テレビのトークでは稀有な人材で大活躍できるキャラクターだとよく分かる。この番組で勝たなくても前途は洋々。

【スパイク(吉本興業)】女性ファンは多くつくタイプの芸人さん。

【Aマッソ(ワタナベエンターテインメント)】実力は他を圧倒するコンビ。「女の作ったラーメンは食べれへんねん」の名セリフが書ける能力を持っている。決勝でやったプロジェクションマッピングを用いた映像漫才は、新発明。すばらしい。

結局、Bブロックからは、「Aマッソ」が勝ち残り、Aブロックの勝者「オダウエダ」と視聴者から選ばれた「天才ピアニスト」を加えて、3組の決勝。将来性や面白さの差はもう明らかだ、決勝で突然変異が起こるかもしれないがら、続きを見た。起こらなかった。しかし、優勝はオダウエダ。人の好みはそれぞれだ、ということであった。

ところで、女性芸人の実力は今どんどん上がっている。そんな中で、女のナンバーワンを決めるというコンセプトはもう必要ないのではないか。

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