有村架純&坂口健太郎「健ちゃんだからこそ本音を言えた」「頼ることはすごく大事」弱音も吐ける2人の信頼関係【さよならのつづき インタビュー前編】
モデルプレス / 2024年11月10日 7時0分
坂口:僕らからも「このタイトルがいいんじゃないですか」って色々出したよね。俺、全然採用されなかった(笑)。どういうの出したんだっけな~。
有村:コーヒーの赤い実の…(笑)。
坂口:あ、そうそう!コーヒーの赤い実と心臓が赤いことをかけて、「『赤い実の落ちる頃』どうですか?」って。「それはないね」って言われました(笑)。
有村:途中ちょっと大喜利みたいな感じになっていました(笑)。でもこの物語って、誰もが共感できるものでは決してない。そんな中ある一節では、移植されたことで自分の経験と違う記憶があることをリアルに体験されている方もいらっしゃる。事実としてあるので完全なるフィクションではないというか、そういったものにリアリティを持たせながら演じていかなければいけなかった。でもかたや成瀬さんには奥さんがいて、安直な考えではありますが、これを普通に演じてしまうと不倫の物語になってしまう。それはちょっと怖いなと思うところがありました。
人ってやっぱり愛されたこと、愛したことの記憶が永遠に残り続けるので、それを純度高く持って演じきることが大切になる物語なんだろうなと感じながら、そこに「さよならのつづき」というタイトルがあったことで、より背中を押してもらった感じがあって。自分の中ではそういうことを大切にしながら、残していこうと思いました。
坂口:最初に脚本を読んでプロデューサーの方とお話をしたときは、めちゃくちゃ難しいことをやろうとしているんだなと思ったんですよね。架純ちゃんも言っていたけど、やっぱりドロドロというか、湿度を持ってやろうと思ったら簡単にできちゃうものなんだけど、そこにどこか軽やかさや「これは仕方ないよね」と思ってもらう何かがないと、相手に対しての愛が伝わらないだろうし…。
愛情は誰しも平等に持っているものだと思うので、僕がラブストーリーを演じるときはいつも、逆にみんな経験があるからこそめちゃくちゃ難しいって思うんです。例えば僕がすごく怖い役やサイコパス心を感じる役をやるときは、経験していないからちょっと飛ばしてやってみることもできちゃう。でもラブストーリーは100人観たらその100人が経験してきた形の愛情、愛の持ち方がきっとあるだろうから、みんながある程度の共感を持った状態で観てもらうというのはすごく難易度が高いことだなというのがいつも根本にあるんです。
その中で心臓が記憶を持っていて、どこが惹かれてしまう。彼女を見たときに色々フラッシュバックしたり、成瀬もそれが何かわからない。「なんでこんなことが起きるんだろう」という繰り返しだと思うんです。そしてちょっと不調を感じていて、大丈夫だと思っていたのに「もしかしたらもう僕の時間は残り少ないのかもしれない」と感じることもある。表現することに色々なパターンがあって、色々な方向性が全て間違いではない、色々な正解があるものだと思ったので、難易度が高いなと。何が正解なんだろうなというのはいつも思っていました。
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