1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

夫の転勤で育休中に退職した妻「赤字家計をパート収入だけで補えますか?」

MONEYPLUS / 2024年5月10日 7時30分

写真

夫の転勤で育休中に退職した妻「赤字家計をパート収入だけで補えますか?」

夫の転勤で育休中に仕事を辞めることになったAさん(31歳)。「夫の収入だけだと家計が赤字になるため働くつもりですが、パート収入だけで大丈夫なのか不安です」とファイナンシャルプランナーの筆者のもとに相談に来られました。転勤先では、仕事を見つけやすいパートで働く予定ということですが、Aさんの収入はどれくらい必要なのかをみていきましょう。


【相談内容】
育休中に夫の転勤が決まり、仕事を辞めることになりました。夫の収入だけだと家計が赤字になってしまいます。引っ越し先で働く予定ですが、仕事の見つけやすさを考えるとパートで働くことになりそうです。パート収入がどれくらいあれば生活していけるでしょうか?

【相談者プロフィール】
・性別:女性
・年齢:31歳
・職業:会社員(育休中)
・家族構成:夫(33歳・会社員)、子ども1人(0歳9ヶ月)
・将来、もう1人子どもが欲しい

【収入】
・年間の手取り収入合計:634万円
・毎月の世帯の手取り金額:44万5千円(夫の月収32万円、妻の育休手当月額12万5千円)
・年間の世帯の手取りボーナス額:100万円
・児童手当:月額1万5千円

【毎月の支出の内訳】
生活費合計:39万2千円
(内訳)
・住居費:6万6千円
・食費:7万5千円
・水道光熱費:2万2千円
・教育費:なし
・保険料:3万2千円
・通信費:2万円
・車両費:3万7千円
・お小遣い:2万円
・その他:12万円(日用品・娯楽・レジャーなど)

【世帯の資産状況】
・現在の貯金総額:500万円
・毎月の貯蓄額:2万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:250万円(自動車ローン)、300万円(奨学金返済)

Aさんの現状をもとに、今後の対策についてみていきましょう。

家計が赤字になる原因を探る

Aさんが退職し育休手当がなくなると、夫の収入と児童手当だけで生活することになります。今の生活水準で暮らし続けると家計が赤字になるため、支出の見直しが必要です。

出産前までは2人とも会社員として働いていたということもあり、自由にお金を使っていたAさんご夫婦。お互いに仕事が忙しかったため外食する機会も多く、食費が高くなりがちでした。子どもが生まれてから外食は減ったものの、デリバリーを利用する機会が増えたため、あまり食費は変わっていません。

また、子どもにかかる費用が増えたため、夫婦だけの時よりも生活費は上がっています。しかし、これまでは支出の内訳が把握できておらず、その他項目のなかに使途不明金が多く含まれている状態でした。他にも、子どもが生まれてから保険の見直しをしていない、スマホは大手キャリアで契約していて通信費が高めなど、見直し可能な支出が見つかりました。

支出の見直しは固定費と変動費を分けて考えるのがポイント

支出を見直すときは固定費と変動費に分け、固定費の見直しから始めましょう。食費や日用品費など変動費の改善は取り組みやすいですが、今の生活スタイルを変える必要があるため、節約が長く続かない可能性があります。一方で、保険や通信費など固定費の見直しは、手間がかかるものの一度の見直しだけで支出削減の効果が大きく、継続的に支出を抑えられるのです。

Aさんはまず通信費の見直しから行いました。データ使用量が少なく、電話もほとんどかけることがなかったので、大手キャリアから格安SIMに乗り換えを行い、通信費を世帯で1万1千円に抑えることに成功しました。

また、月額保険料1万円の個人年金に加入していましたが、老後資産を増やすことが目的で加入しており、保障は必要ないとのことでした。生命保険料控除が使える点は個人年金のメリットですが、NISAを活用することでより老後資産を増やせる可能性があることが分かり、解約を決意されました。解約返戻金の96万円を元手に、まずは毎月1万円ずつNISAのつみたて投資枠を活用して資産形成するよう、資産形成の手段を変更しました。

固定費の見直しができたら次は変動費の見直しです。1ヶ月分の支出を記録したところ、食費は5千円、日用品などのその他支出は2万円を毎月削減しても生活ができそうだと分かりました。

変動費はつい使いすぎてしまうため、1ヶ月の予算を大まかに決めて生活してみることが支出見直しの第一歩となります。お財布を分けたり、アナログではありますが封筒で管理するなどの方法を取ると習慣化しやすくなりますよ。

今後必要なお金を把握する

家計の現状把握ができたら、次は今後準備する必要のあるお金を把握していきましょう。

Aさんご夫婦はもう1人子どもが欲しいと考えていため、子どもが2人になったことを想定して教育費などの準備をしていく必要があります。

子どもは保育園に預けることになるため、居住地域と世帯収入で決まる保育料を把握しておく必要があります。

次に小学校から大学までの学費です。進学予定としては2人とも小学校から高校までは公立、大学は私立理系で1人暮らしを想定して教育費の準備をしていきたいとのことでした。文部科学省のデータによると、この場合、小学校から高校までで1人あたり約527万円、大学費用は毎月10万円の仕送りをする場合、学費と合わせて約949万円を教育費として準備する必要があります。

また、子どもの進路のことを考え、中学生以降は夫の転勤には帯同せず、単身赴任をしてもらう予定とのこと。単身赴任をする場合、会社からの補助制度がないため、家賃や生活費、帰省費用などを考えると毎月の支出が19万円増加することが分かりました。

家計の見直しを行い、将来必要なお金を試算した結果、このままAさんが働かず夫の収入だけで生活した場合、単身赴任が始まると年間収支が赤字続きになり、貯蓄もなくなってしまうことが分かりました。Aさんに必要な収入を具体的に考える前に、将来に向けて準備しているお金の準備方法も改善できる点がないか確認していきましょう。

将来必要なお金の準備方法を決める

現在500万円の貯蓄に加えて、毎月2万円ずつ定額預金をしているAさん。2人分の教育費は、保険で準備している244万円とこの毎月の貯金で賄おうと考えていました。しかし、それだけでは1人分の教育費すら貯められないと分かり、NISAのつみたて投資枠を活用して、より効果的にお金を増やす方法に変更。2人目が生まれたら、毎月の積み立て額を増やす予定です。

また、夫の企業型確定拠出年金を確認したところ、入社当時によく分からないまま商品選択していたようで、元本保証型の商品を購入していたことが判明。長期運用ならリスクを減らすことができるため、価格変動型の投資信託を選択し直し、将来の受け取り年金額がより増える可能性を高めることができました。

最低限必要な収入額がわかれば選択肢も安心感も増える

これまでの情報をもとにライフプランを作成し、シミュレーションしたところ、Aさんが最低限8万円/月の収入を得られればいいので、扶養内パートとして働けば老後まで安心して生活ができることが分かりました。

Aさんに最低限必要な収入が分かることで仕事の選択肢が広がり、会社員を辞めた後の生活への不安を取り除くことができました。今回、Aさんは夫の転勤をきっかけに働き方を見直しましたが、女性は結婚や出産などのライフイベントで働き方を変えざるを得ない人が多い傾向にあります。

そんなとき、家計が維持できるのか、最低限必要な収入がいくらか分からず不安になることも多いでしょう。漠然とした不安が具体化できれば、解決策も見つけやすくなります。そのために、ライフプランを作成してシミュレーションしてみることをオススメします。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward]

(栗山美希)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください