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モノのデザイン 第183回 日立「火加減マイスター」 前代未聞のIHクッキングヒーターはかくつくられた(前編)

マイナビニュース / 2024年4月10日 14時26分

画像提供:マイナビニュース

日立グローバルライフソリューションズが2023年10月に発売したビルトインタイプのIHクッキングヒーター「火加減マイスター」シリーズの最新モデル。グリル内にカメラを搭載し、操作部のカラータッチ液晶画面で調理の様子をリアルタイムに表示できるなど、前代未聞の技術を搭載した最先端のIHクッキングヒーターだ。本製品の企画・開発やデザインに携わった3人の担当者に、発売に至った経緯をはじめ、開発過程における秘話などを訊ねた。

設計を担当した、同社ホームソリューション事業部 生活家電本部 第三設計部 技師の関 真人氏によると、カメラの搭載が提案されたのは3年ほど前。「ニーズ自体ももともとあったのですが、近年のビルトインタイプのIHクッキングヒーター市場において、他社さんからも尖った商品やいろいろなコンセプトのものが出てくる中で、弊社もそうした何かアピールできる特徴的なものができないか? と考え、1つの案としてカメラが挙がりました。ただ、これまでにないものなので、通信する仕組みをはじめ、どうやれば映るのかといったシステム的な製品の構造をまずは下調べすることから始まりました。カメラ自体もいろいろなものがあるので、どういうカメラが適しているのかといったことも1つ1つ調べながらやっていましたので、本格的な開発に着手するまでは時間を要しました」

カラータッチ液晶の搭載は、カメラと並行して別途検討された。カラータッチ液晶を担当した、同事業部 環境機器事業本部 環境機器商品企画部 主任技師の北嶋正氏は「IHクッキングヒーターは年々新しい機能やメニューを搭載して便利になっているのですが、ユーザーの方に実はあまり使っていただいていないという実態もありました。そこでもっと使っていただくためには操作性を格段に進化させなければならないとなり、カラータッチ液晶を搭載したら圧倒的に向上できて一気に解決できるから思い切ってやってみようとなりました。カラータッチ液晶自体は既にオーブンレンジで搭載していましたので、カメラよりも素早く開発が進みました」と話す。

そうして、それぞれ別にプロジェクトが進んでいたグリルカメラとカラータッチ液晶の開発は、2年ほど前からは一体となって進んだ。関氏は「両方搭載できれば一石二鳥じゃない! とある時期に合致して、めざすべき路線が一緒になりました。そこからは、搭載する液晶に対応できるカメラの通信機能は何が適切なのかなど、より具体的な方向に進み、開発の加速度も一気に上がっていきましたね」と、振り返った。

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