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モノのデザイン 第184回 日立「火加減マイスター」 前代未聞のIHクッキングヒーターはかくつくられた(後編)

マイナビニュース / 2024年4月12日 16時40分

画像提供:マイナビニュース

(前編から続く)

日立グローバルライフソリューションズが2023年10月に発売した、ビルトインタイプのIHクッキングヒーター「火加減マイスター」シリーズの最新モデル。グリル内に搭載したカメラによって調理中の庫内の様子を撮影し、トッププレート上のカラータッチ液晶画面でリアルタイムに映し出すことができる機能を実現した最新鋭の製品だ。

カメラと並んで目玉機能として挙げられるのは、「カラータッチ液晶」を採用した操作部。天面のクッキングヒーター部の中央付近に、解像度800×480ピクセルの5インチのIPS液晶が搭載されている。設計を担当した、日立グローバルライフソリューションズ ホームソリューション事業部 生活家電本部 第三設計部 技師の関 真人氏はその理由を次のように話した。

「選定した際に他の要件を満たしていて都合がよかったので、フルHDの解像度のカメラを採用しています。イメージセンサーはフルHD以外もいろいろと検討しましたが、素子サイズが結構違うんです。レンズとの組み合わせで画角が変わったりもしますので、結果的にフルHDのスペックになったという流れです。ただ、カラータッチ液晶画面のモジュールが対応できる液晶の画素数はそれほど大きくないため、そのまま800×480ピクセルで出力しています。見やすさとしてはそれぐらいの画素数でも十分ですので、カメラ側は画質を少し落として表示させています」

カラータッチ液晶を現在の位置に搭載するうえでは、安全性が重視された。「従来からキャラクター液晶とかドット液晶は採用していましたが、タッチ操作への対応は初めて。まずはやはり危険性を懸念する意見が多くありましたね」と、同事業部 環境機器事業本部 環境機器商品企画部 主任技師の北嶋正氏は語った。

そこで採られた方策は、エリアを限定したタッチ操作の対応だ。5インチの液晶画面のうちタッチ操作は全面が対応しているわけではない。次のような理由からだ。

「鍋を加熱している時に、指を近くまで持ってきて操作すると、接触して火傷したりする危険性があります。そこで熱源に近いカラータッチ液晶の上側は、表示だけでタッチ操作はできないエリアとして設定しました。その中で操作のUIなどを全部決めてもらいました」(関氏)

5インチの解像度800×480ピクセルのカラータッチ液晶を採用したことにより、操作上のUIとしての自由度が広がる。画面に表示される情報の構成やレイアウトなどUIデザインを担当した、日立製作所 研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部 デザインセンタ UXデザイン部の日下部結女氏は次のように説明した。

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