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モノのデザイン 第185回 バリスタはテクノロジー、ハリオが生んだIoTコーヒーマシンに未来を見た(前編)

マイナビニュース / 2024年4月17日 12時0分

画像提供:マイナビニュース

コーヒー器具メーカーのHARIO(以下、ハリオ)が昨年10月のクラウドファンディングによる先行発売を経て、今年4月以降に一般発売を予定している「"Hikaru" V60 Smart Brewer(以下、Hikaru)」。本製品の発売に至った経緯やこだわりのポイントを同社 NET事業部 平塚凌我氏に訊ね、プロダクトデザインの視点からその魅力に迫る。

ハリオは、コーヒーや紅茶などの関連器具や、キッチンウェアなど幅広いアイテムを展開するメーカー。1921年の創業時は耐熱ガラスメーカーとして出発し、当初は理化学品を中心に製造販売していた。

本製品の企画が挙がったのは創業100年を迎えた2021年のこと。ハリオの代表的な製品に、世界的なバリスタのコンテストの入賞者の多くが愛用している、「V60透過ドリッパー」という知る人ぞ知るコーヒードリッパーの名器がある。

「『V60透過ドリッパー』は、社内で身近にある三角ロートにろ紙を四つ折りにして組み合わせてコーヒーを淹れたことが始まりです。肝になっているのは円すい型の形状で、液体をろ過する際に一番自然で良い形であることに気づき、1980年に一人用の円すい形ドリッパーを発売しました。その後、ペーパーフィルターでネルドリップの味を手軽に再現できるように形をさらに進化させたのが現在の製品になります」

平塚氏によると、円すい形の形状は扇形の一般的なドリッパーに比べて、コーヒー粉の深い層ができ、注がれたお湯が中心に向かって流れる。このことにより、コーヒー粉にお湯が長く触れ、成分をより多く抽出できることが美味しいコーヒーにつながっているという。

また、真ん中に大きく開いたひとつ穴により、注がれたお湯がドリッパーの制限を受けることなく、ネルドリップ(布ドリップ)のように抽出ができる。お湯を注ぐ速度によってもコーヒーの味を変えることができ、好みの風味に調整しやすいそうだ。ドリッパー内部のリブ(凹凸)を高く上部まで設けることでペーパーとドリッパーの間に空間をつくることができ、“蒸らし”行程におけるコーヒー粉の膨張を妨げず、空気がしっかり抜ける構造になっているのもポイントだという。

しかし、スムーズにお湯が通過することが利点になる反面、湯量の調整やタイミングのコントロールにはテクニックを要するため、素人ではなかなか難しい。そこで、トップバリスタによるプロのテクニックを家庭で手軽に再現するために、「V60透過ドリッパー」のためのコーヒーメーカーを開発しようというのがHikaruの企画開発の経緯だ。

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