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幼児に特有の「スケールエラー」は何歳でピークを迎える? - 阪大が解明

マイナビニュース / 2024年4月2日 10時27分

画像提供:マイナビニュース

大阪大学(阪大)は3月29日、ミニカーに乗ろうとしたり、人形の靴を履こうとしたりといった、幼児に特有の行動である「スケールエラー」が、発達のどの時期にどのくらい生起するのかを、大規模データを用いて明らかにしたことを発表した。

さらに、スケールエラーとの関連が指摘されていた言語発達について、動詞や形容詞の習得が特にスケールエラーの生起と密接に関わっている可能性を発見したことも併せて発表された。

同成果は、阪大大学院 人間科学研究科の萩原広道助教、江戸川大学 社会学部 人間心理学科の石橋美香子講師、京都大学大学院 文学研究科の森口佑介准教授、東京大学大学院 教育学研究科の新屋裕太特任助教らの研究チームによるもの。詳細は、科学的発達心理学と発達認知神経科学を扱う学術誌「Developmental Science」に掲載された。

スケールエラーは、ミニカーに乗ろうとしたり、人形の靴を履こうとしたりするなど、非常に小さな物体に自分の身体を当てはめようとする現象のことで、1~2歳ごろの幼児に見られることがある。2004年に報告され、研究としては比較的新しいものだが、発達心理学者を筆頭に、脳科学、さらには工学の研究者まで、複数の分野の研究者が関心を寄せているという。

これまでの研究から、スケールエラーはすべての幼児に見られるわけではなく、そのような行動を見せない子がいることも観察で確認されていた。さらに、観察の場が研究室なのか保育園なのかなどによっても、スケールエラーの生起頻度が異なっていることもわかっていた。そのため、スケールエラーの発達的変化については統一的な見解がなく、幼児期のどの時期にピークを迎えるのかも研究者によって主張が異なっているのが現状だとする。

そこで研究チームは今回、これまでの複数の研究において日本や海外で収集された528名分のスケールエラーデータを統合し、これに「ゼロ過剰ポアソンモデル」を当てはめることによって、スケールエラーの発達的変化をより適切に記述することを試みたという。なおゼロ過剰ポアソンモデルとは、統計モデルの一種で、観察時にゼロが多いデータの分析によく用いられるものだ。今回の研究の場合は、「そもそもスケールエラーをまったく示さない」ことによって生じるゼロと、「スケールエラーを示すが、観察時にたまたまスケールエラーを示さなかった」ことによって生じるゼロとを区別するため、同モデルが用いられた。

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