バイプレイヤーの泉 第129回 『虎に翼』岡部たかし、彼こそ高齢化社会の日本における中高年期待の星
マイナビニュース / 2024年4月19日 19時0分
幼少期から熱血ドラマオタクというエッセイスト、編集者の小林久乃が、テレビドラマでキラッと光る"脇役=バイプレイヤー"にフィーチャーしていく連載『バイプレイヤーの泉』。
第129回は俳優の岡部たかしさんについて。多くの人が彼に釘付けになった『エルピス −希望、あるいは災い−』(2022年)の村井役。翌年の2023年を駆け抜けて、2024年はさらに飛躍となること間違いなし! の岡部さん。俳優の吉田鋼太郎さんが、50代でブレイクを果たした以来の快挙が見られるかもしれない。そんな期待を込めたコラムをどうぞ。
○朝ドラ、6回目出演の快挙にして……
おそらく『あまちゃん』(2013年)以来の、朝ドラボルテージが高まっている『虎に翼』。私の周囲もほぼ見ていて、打ち合わせでは必ず話題が出て、SNSには寅の絵文字が舞っている。作品の魅力は多くあるけれど、まずは現在との時代背景のリンク。それから居場所を作ろうと奮闘する寅子を演じる伊藤沙莉の訴求力。これらには目を背けることができない、訴求力がある。この話だけで5000文字くらい書けそうだけど、いけない。今回の主役は岡部たかしさんだ。
岡部さんが演じているのは寅子の父親・直言(なおこと)。銀行員という職業柄、おそらく当時のエリートだろう。妻のはる(石田ゆり子)には頭は上がらない。そのぶん(?)優しさに溢れていて、子どもたちの味方になってくれる。当初、寅子の大学進学を後押ししてくれたのは直言だった。
『虎に翼』あらすじ
日本初の女性弁護士となった三淵嘉子がモチーフの『虎に翼』。舞台は昭和初期。女性ならば結婚をして夫に尽くすことが最良と言われているけれど、どうにも納得ができない猪爪寅子(伊藤沙莉)。娘の結婚を願う母の反対を押し切り、寅子が選んだのは法曹界で働くこと。その一歩として大学に進学するものの、校内でも男尊女卑の風潮と女学生たちが対峙することに……
調べると岡部さんは『ひよっこ』(2017年)を皮切りにして、過去5作の朝ドラに出演している。記憶に新しいところでは『ブギウギ』(ともにNHK総合・2023年)の、アホのおっちゃん役。6作目にして主人公の父親とは満を持しての大出世だ。公式ホームページもトップだし、番宣のバラエティ番組出演だってある。これは長年に渡って、彼がもがきながらも必死で努力してきた成果だ。
○冷たくもない、熱くもない、適温おじさん
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