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Intelが語った高NA EUV露光装置導入による4つのメリット、2025年には量産モデルの導入も計画

マイナビニュース / 2024年4月22日 12時34分

画像提供:マイナビニュース

Intel Foundryは、米オレゴン州ヒルズボロにあるIntelの研究開発施設において、商用機として業界初となる高NA EUV露光装置の組み立てを終え、システム調整作業ならびに試作作業を開始することを宣言。これに併せてオンラインで会見が開かれ、Intelフェロー兼Intel Foundry ロジック・テクノロジー開発部門 リソグラフィ・ハードウェア・ソリューション担当ディレクターのマーク・フィリップス(Mark Phillips)氏が、「Intelに待望の高NA EUVシステムが加わった。これによりIntelはリソグラフィ技術において業界でも充実した選択肢を手にしたこととなり、2020年代後半にかけIntel 18Aよりも先の微細プロセス技術(Intel 14A以降)を見据えた前進とが可能になった」と発言した。

高NA EUV露光装置の研究・試作モデルである「TWINSCAN EXE:5000」システムは、あまりにも巨大で1台あたり150トンを超すため、製造元のASMLから一括搬送できず、250個以上のクレートに梱包され43個の貨物コンテナに収納され、製造地のオランダから複数の貨物輸送用航空機でシアトル国際空港に2023年末に空輸。その後、20台の大型トラックでオレゴン州のIntelの研究施設まで輸送された。TWINSCAN EXE:5000は、「レチクルモジュール」、「光学系モジュール」、「300mmウェハを搭載するウェハモジュール」、「レーザー駆動モジュール」、「光源モジュール」の5つの主要モジュールで構成され、これらを3カ月余りかけて組み立てたというわけである。

TWINSCAN EXE:5000初号機は、Intelの将来的なプロセス技術ロードマップ上にあるIntel A14の製造に備えてこれからシステムの調整が進められるところだが、同氏は、高NA EUVの導入メリットとして、以下の4点を挙げている。

Mooreの法則にしたがい、将来に向けて微細化をさらに推し進められる
解像度が上がることでデザインルールの自由度が増す
プロセスフローがシンプルになる
歩留まりが向上するばかりでなく所定の歩留まりに達する時間を短縮できる

また、ASMLは最近、蘭フェルドホーフェンにある本社内の高NAラボで、初めて10nm密集ラインパターンの解像に成功したことが報告されているが、そうした高NA EUV技術と、Intel Foundryが有する微細プロセス技術を組み合わせることで、従来比で最大2.9倍の密度を実現できるようになると同氏は述べている。

また、オレゴン州の研究・試作拠点への高NA EUV露光装置の導入は、米国内の半導体製造力を拡大させ、米国主体の研究開発の再活性化につながり、国家の経済安全保障の目標を達成していく力となるだけではなく、米国北西部へ優秀な人材を引きつける要因にもなりえるともしている。

なお、今回導入されたのは、少量試作検討用の初号機(推定価格:3億5000万ユーロ)だが、2025年には1時間に200枚以上のウェハを処理できる量産モデル「TWINSCAN EXE:5200Bシステム」を他社に先駆けて導入する計画で、これによりIntelは競合ファウンドリに対して優位な立場を確保することを目論んでいる。
(服部毅)

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