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原作者の“問い”に映像化で“答え”を出す――『ナニワ金融道』から『おいハンサム!!』まで…山口雅俊氏が貫く「漫画原作」に向き合う覚悟

マイナビニュース / 2024年4月27日 8時2分

○『ナニワ金融道』『闇金ウシジマくん』で出した“驚き”と“答え”

撮影現場でも原作漫画を読んでいたという『ナニワ金融道』で出した一つの“答え”はキャスティングにあった。

「中居(正広)くんが演じた主人公の灰原が、大阪の金貸しの世界に入って成長するという話で、一番最初の「大阪のカネと欲望の本音の世界」の洗礼を受けるのが入社した街金融「帝国金融」の先輩・桑田という男との出会いなんですが、この役を小林薫さんがOKしてくれたというのが大きかった。あの当時、桑田という一見ふざけた“エグい”キャラクターを、状況劇場の看板俳優で、テレビでも山田太一さん脚本の『ふぞろいの林檎たち』に出演するなど硬派で端正なイメージの小林薫さんに演じさせるというのは、誰も思いつかなかったでしょう。でも、結果的に中居正広くん、小林薫さん、そして社長には緒形拳さんという帝国金融のキャスティングに有無を言わせぬ“驚き”があって、ものすごい人気漫画を生み出した青木雄二さんに対する映像化する側としてのアンサーになったと思います」

『闇金ウシジマくん』(10年、MBS)においても、山田孝之の主演というキャスティングが当初“驚き”をもって、結果、好意的に受け入れられたことに加え、「そもそも闇金業者が主人公というドラマなんてできないとか、タイトルから“闇金”を外さなきゃダメだという話もあった中で、地上波ギリギリのところでとにかくオンエアすることに意味があった。結果、自分なりに(原作の)真鍋(昌平)さんに答えることができたかな」と振り返る。

●新たな設定・登場人物を作る中で守るもの
映像化にあたって、設定を変えることや、ドラマオリジナルの登場人物・ストーリーを作ることもある。『きらきらひかる』(98年、フジテレビ)は、1人のスーパーウーマン的存在の女性監察医が主人公の漫画原作から、新人監察医(深津絵里)を中心に個性的でプロフェッショナルな女性たち(松雪泰子、小林聡美、鈴木京香)4人が活躍する物語に仕立て、『おいハンサム!!』に至っては、複数の原作を融合してタイトルも新たに命名した。

「『きらきらひかる』の原作が伝えたいのは、一言で言うと“生きていることは、それだけで素晴らしい”というものだし、『ナニワ金融道』は“ここにある1万円がどのように得たカネであれカネはカネだ。それがカネの本質だ”ということ。『おいハンサム!!』の伊藤理佐さんの原作は、“幸せとは何か”そして “幸せはどこにあるか”なんですよね、たぶん。原作を映像化するにはそこを守りつつ、プロデューサーや脚本家や監督である僕が、なりふり構わず“答え”を出そうと“もがく”ことが大事だし、それしか方法はないと思っています」

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