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原作者の“問い”に映像化で“答え”を出す――『ナニワ金融道』から『おいハンサム!!』まで…山口雅俊氏が貫く「漫画原作」に向き合う覚悟

マイナビニュース / 2024年4月27日 8時2分

これまで手がけてきた原作の原作者には全員、直接会って話し合い、仕事をしてきたという山口氏。原作ファンという存在もある中で、「必ず批判もされますが、とにかく自分たちはこういう思いでこの“答え”を出したんだと言えることができれば、いいのではないかと思います」と考える。

○松本清張が「原作を超えた」映画『砂の器』

自身の手がけた作品以外で、山口氏自身が“驚き”を感じた映像化作品がないかを聞いてみると、松本清張原作の『砂の器』を挙げてくれた。

「最初の映画(74年)は、原作と比べると“驚き”しかありませんでした。そもそもは音楽による殺人を描いた長編推理小説なんですが、映画の脚本は、原作のエピソードを大胆に取捨選択し、主に2つの要素を大きい柱として抜き出した。冒頭の、蒲田駅構内で死体が発見され、その前夜に被害者と犯人と思われる二人がバーで“カメダ”について話し込んでいたという導入と、終盤の、故郷を捨てたハンセン病を患った父親とその息子が巡礼のため流浪する、という原作では数行しか触れられていないエピソード。あとは、橋本忍さんと山田洋次さんの脚本と野村芳太郎監督の演出で映像的に大きく膨らませて、映画を観た松本清張さんが“原作を超えた”とおっしゃったそうです。原作小説はもちろん、映画もまた、まさしく『砂の器』。“砂の器”という言葉が象徴する、積み上げてきた人生の脆(もろ)さをまぎれもなく描いたのです」

●木南晴夏が矢面に立つのは「フェアではない」

『セクシー田中さん』の騒動でクローズアップされた問題点には、SNSでの批判や誹謗中傷というのもあった。その攻撃の矛先は、脚本家だけでなく、出演者に向かうことも。

『おいハンサム!!』にも出演し、『セクシー田中さん』と撮影時期が重なっていた木南について、山口氏はX(Twitter)で「誰よりも役に真剣に向き合い、誰よりも的確で期待や想像を超えた演技をする、かけがえのない女優であることだけは言っておく」とポストしたが、そこには、「とても心を痛め、喪失感がある中で、出役の人は何かあるとネット記事で写真が使われてしまったりする。それはおかしいしフェアではない。だから、『おいハンサム!!』を見てもらえば分かるけれど、木南晴夏さんはこの騒動とは関係のない一人の女優なのだ。ただ、与えられた役に他の追随を許さないやり方で息を吹き込む貴重な役者なのだ、ととにかく伝えたかった」という思いがあった。

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