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VLSIシンポジウム2024プレビュー 第1回 アジア勢が躍進、過去最多の応募・発表件数となるVLSIシンポジウム2024

マイナビニュース / 2024年5月7日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

先端半導体技術および回路に関するに国際学会「VLSIシンポジウム2024(2024 IEEE Symposium on VLSI Technology and Circuits)」が2024年6月16~20日、米国ハワイで開催されるのに先立ち、VLSIシンポジウム委員会が会議の概要や注目論文を発表した。

VLSIシンポジウムは、1981年以降、京都とハワイで交互に開催されており、2024年はハワイでの開催となる。今回のテーマは、「デジタルとフィジカルの世界を効率とインテリジェンスで橋渡し(Bridging the Digital and Physical Worlds with Efficiency and Intelligence)」で、委員会では「DX社会へのシフト、生成AIサービスの爆発的普及により半導体の需要は激増しているほか、物理空間と仮想空間を高度に融合してサービスに変えるデジタルツインも、物理空間から大量のデータを取得するのに半導体を活用。AIでデータの取得や分析を行う必要もあり、AI半導体が重要になっている。そのような意味を今年度のテーマに込めた」と説明している。

経済安全保障という側面から世界的な半導体ブームもあり、投稿論文数、採用論文数ともに過去最多を更新。投稿数は、従来は500〜600件ほどであったのが897件まで急増したとする。また、地域別で見ると、中国を中心としてアジアからの投稿が増加したという。

最多投稿は中国の237件で、次いで韓国の187件、米州(米国およびカナダ)の167件、欧州106件、台湾103件、日本42件、シンガポール39件、インド9件となっている。VLSIシンポジウム委員長の濱田基嗣氏は「京都とハワイで交互の開催だが、ハワイ開催年の方が投稿数が若干多い傾向がある。前回の京都開催でも非常に多くの論文が投稿されたと感じていたが、今回はそこから約40%も増加した」と述べている。

採択論文数は232件で、全体採択率は26%と例年以上の狭き門となった。地域・国別でみると韓国と米州が最多で54件ずつ。採択率は韓国が29%、米国が32%となる。次いで中国の37件で採択率は16%、欧州36件の同34%、台湾26件の同25%、日本16件の同38%、シンガポール8件の同21%、インド1件の同11%と続いており、応募および採択件数ともに韓国、中国、台湾といったアジア勢が存在感を見せている。日本勢の採択件数は、京都開催の昨年より減少したものの採択率は38%と地域・国別ではトップ。ただし、先端半導体を研究する大学や企業の数が数えられるほどに減少している点が懸念される。濱田氏は「日本は論文投稿数は多くないが一定の質を維持しており、全体平均を上回る採択率を保っている」と説明している。

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