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井上尚弥、王座防衛も「まさか!」のダウン。なぜネリの一撃は決まったのか? 『東京ドーム激闘』を考察─。

マイナビニュース / 2024年5月8日 7時30分

画像提供:マイナビニュース

34年ぶりの東京ドーム・プロボクシング興行は、大いに盛り上がった。注目の4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチは、井上尚弥(大橋)がルイス・ネリ(メキシコ)を6ラウンドTKOで下し王座防衛に成功、8試合連続のKO勝利で27連勝を飾った。

だが今回の試合で、ファンが一番驚いたのは、井上尚弥が1ラウンドにダウンを喫したことである。それは「まさか!」のシーンだった。井上がマットに倒れるのはデビュー以来、初めてのこと。なぜ、ネリの一撃は決まったのか?
○■恐ろしいまでの冷静さ

4万3000人(主催者発表)の大観衆で埋まった東京ドームが静まり返ったのは、試合開始から80秒が過ぎた時だった。
ネリの左フックが井上の顔面にヒット。直後にカラダを反転させるようにしてモンスターが後方に倒れた。
「ダウン!」
レフェリーのコールを聞きながら誰もが驚いた。

東京ドームでは、やはり何かが起こるのか。34年前にマイク・タイソン(米国)がジェームス・バスター・ダグラス(米国)に倒されたシーンが脳裏を過る。
騒然とする場内─。
だが意外なことに、倒された本人は冷静だった。

初めてダウンを喰らった者は、さほどのダメージはなくとも動揺し、すぐに立ち上がろうとする。その際にふらつきパニックを起こして敗れる選手を、これまでに幾人も見てきた。
しかし、井上は違った。
上体を起こした後に片膝をマットにつけた姿勢でレフェリーが数えるカウントを確認し「8」がコールされた時にゆっくりと立ち上がった。

一気にフィニッシュにつなげたいネリは猛攻を仕掛ける。ラウンド残り時間は1分以上あったが、井上は距離を取り、さらにはクリンチも用いてここを凌ぎ切った。
振り返って井上は言う。
「いろいろな局面は想定していたので、ダメージを回復させながら落ち着いて立てたのかなと思います。コーナーに戻った後、(ドーム内に設置されたビジョンの)リプレイ映像を見て、どんなパンチを貰ったのかも確認しました。
(ダウンを喫したので)2ポイント取られたので、そこを挽回しなければとは考えましたね」

恐ろしいことに、初めてのダウンを喫しても井上は焦らなかった。自らが置かれている状況を把握し、勝利につなげるプランを練ったというのだ。
2ラウンドもネリと果敢に打ち合った。その中でタイミングよく左ショートフックをクリーンヒットさせダウンを奪い返す。この時点で井上は試合の主導権を握った。

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