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大河原克行のNewsInsight 第296回 パナソニック「くらし事業」が直面した課題、家電市況の逆風に次の一手は?

マイナビニュース / 2024年6月13日 16時7分

今後は、2023年に設立した欧州事業部を核に、開製販の一気通貫体制を推進し、基盤を強化。とくにチェコ工場の生産能力増強と生産性向上を進める。また、日系初の自然冷媒A2Wの拡販や、集合住宅やライトコマーシャル向けA2Wを発売。伊Innovaに出資し、空調機器と換気、調湿など、空質機器との一体制御による空質ソリューションを創出するとともに、ドイツtado°とA2Wを組み合わせた省エネソリューションの創出を進める。

国内白物では、新販売スキーム(指定価格制度)による利益貢献が100億円、実需連動SCMによるキャッシュフローの改善額が100億円超であることを示しなからも、環境変化による減販影響が大きく出ていることを指摘。今後は、高価値ゾーンの商品ラインアップ強化と新販売スキームとの相乗効果に加えて、これまで手薄だったボリュームゾーンを強化。価格競争力を強化したモデルの展開や、流通向けプライベートブランド商品の提供を行う。

シャープや東芝ライフスタイルといった中国系資本の国内ブランドを「中国勢」と捉え、「中国勢の台頭によって、消費動向は、高価値追求の消費者と、価格重視の消費者に二極化していくだろう。付加価値の高い商品では約40%のシェアを持っており、これからも、シェアをあげていく自信がある。新販売スキームや実需連動SCMを本格展開し、構造的競争優位性を構築し、国内で圧倒的リーダーシップポジションを目指す」と述べた。

また、「お客様に使われていないにも関わらず、搭載されている機能があまりにも多く、結果として原価を高めているという反省がある。一方で、ヒットした商品はシンプルな機能を尖らせた一点突破のものが多く、そうした商品企画がお客様に支持されていることがわかる。カテゴリーによっては、品質基準が過剰であることが見えてきたものもある。戦艦大和のような商品を作るのではなく、お客様に選ばれる商品を作り、それに対価を払ってもらえる価値として認められることが、モノづくりの一丁目一番地である」とした。

だがその一方で、ボリュームゾーン向けの展開においては、日本においては積極的な投資を行う考えがないことも示す。

「ボリュームゾーンに対しては多くのリソースを集中することを意味しているわけではなく、中国やアジアで展開しているものを日本にも適用することになる。日本のローエンドモデルは、中国およびアジアで展開している松竹梅の竹のクラスになる。日本では高付加価値ゾーンを成長させていく戦略に変更はないが、ボリュームゾーンにおいても、欠品なく届ける仕組みと、お客様をサポートする仕組みを持っていることが、日本における最大の差別化要素になる」とした。

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