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エモさよりも精細さ重視! 「PENTAX 17」は現代的な仕上がりのフィルムカメラだった

マイナビニュース / 2024年7月3日 11時0分

ピント合わせは、前述のようにゾーンフォーカス式。AFに慣れた身にはこの操作は忘れてしまいそう。前述のとおりファインダー画面の下部にゾーンフォーカスのピクトグラムが表示されるので、気にして撮影するとよいでしょう。ちなみにゾーンは、遠距離(5.1m~無限遠)、中距離(2.1~5.3m)、近距離(1.0~1.4m)、クローズアップ(テーブルフォト/0.47~0.54m)、クローズアップ(マクロ/0.24~0.26m)の6つから選択できます。

撮影モードはフルオート、プログラム、低速シャッター、BOKEH(絞り開放優先)、B(バルブ)、日中シンクロ、低速シンクロと豊富に搭載。絞りを開きボケを活かした写りが得られるというBOKEHモードは個人的にちょっと面白いなぁと思いましたが、レンズの実焦点距離が短いこと、開放絞り値がF3.5と大きなボケが期待できないものであること、最高シャッター速度が1/350秒にとどまることなどから、実用性は少々低く感じました。また、フルオートではピント位置がパンフォーカスに切り替わります。被写体の明るさによって自動的にストロボも発光しますが、スナップのような撮影では重宝しそうです。

ちょっと気になったのが、撮影モードダイヤルが動きやすいこと。指が触れてしまったことなどで動いてしまうことが度々ありました。カメラ自体がコンパクトで露出モードダイヤルも小さいので難しいかもしれませんが、ロックボタンが欲しいところです。露出補正ダイヤルについては操作感自体よいのですが、1/3段クリックで補正できるのは、個人的にはちょっとオーバースペック。フィルムは基本的にラチチュードが広いので、1/2段でもよいように思えます。この部分についてはメーカーの設計思想もあり、一概に悪いというわけではないですが。

レンズの描写性能が高く、かなりシャープな仕上がりになる

今回の作例撮影では、カラーネガフィルム1本、モノクロフィルム2本を撮ってみました。いずれも現像はラボにお願いし、掲載のためのデータ化は私自身がデジタルカメラを使いスキャンしています。

最近の若い世代がフィルムカメラに注目しているひとつに“エモい写真”が撮れることがあります。本来なら歓迎されない古いレンズの特性だったり、フィルム特有の写りなどが融合した結果をそう呼ぶことが多いようです。

しかしながら、本モデルでは、少なくともレンズの特性に限って言えば、それを期待するのは難しいと感じました。合焦した部分の解像感は高く、いわゆる抜けのよいクリアな写真となるからです。それは逆光撮影でも同様で、ゴーストやフレアがまったく現れないわけではないですが、最新レンズらしくよく発生は抑えられています。画面周辺部も良好な結像で、“エモい写真”とは遠くかけ離れた、ある意味現代的な写りの得られるフィルムカメラと述べてよいでしょう。

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