能登被災者が迷い猫の捜索活動、誹謗中傷にも心折れず…取材Dが驚いた素人からの急成長
マイナビニュース / 2024年7月13日 18時0分
●飼っていた3匹の猫が行方不明に
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、能登半島地震の被災地で迷い猫の捜索を行う桐本滉平(こうへい)さん夫妻の活動を追った『猫をさがすふたり ~被災地の猫物語~』を14日に放送する。
取材したのは、犬や猫をテーマにしたドキュメンタリー作品を数多く手がけてきた山田あかねディレクター。これまで、東日本大震災などの被災地での動物捜索を取材してきたが、いち被災者だった滉平さんの行動力とリーダーシップに、大いに驚かされたという――。
○世界中から大量の支援物資が届くように
今年1月1日に起きた能登半島地震で、輪島市の朝市通りに暮らしていた輪島塗八代目の桐本滉平さん(31)と妻の萌寧(もね)さん(27)夫婦の自宅兼工房は、火災で全焼。初詣に出かけていた2人は無事だったが、飼っていた3匹の猫が行方不明となった。
猫がやってきそうな場所に捕獲器を仕掛けるものの、見知らぬ猫が入っていることもしばしば。「自分たちのように誰かがこの猫を捜しているかもしれない」…桐本さん夫婦は自分の猫を捜すだけでなく、他の人の猫も保護し、飼い主の元に届けることを決めた。
早速、猫を保護しては、張り紙やSNSで情報を発信するように。いつしか、同じように飼い猫を捜す人たちが集まり、被災地の猫を捜索する輪は大きくなっていった。そして、「活動を支援したい」と、世界中から大量の支援物資も届くようになる。いつの間にか「猫捜索隊」の中心となった滉平さんには、依頼が殺到するように。そんな中、滉平さん夫婦の飼い猫が見つかったという連絡が…。
○「輪島迷子猫捜索隊」を組織化
山田氏が滉平さんのことを知ったのは、彼のインスタグラムでの発信から。能登半島地震の発生を受け、被災地での犬猫の被害状況を調べていたところ、滉平さんが自身の猫だけでなく、他の被災者の猫の捜索活動も行っていることを知った。
こうした大規模災害の場合、動物愛護団体が現地入りして捜索を行うのが一般的だというが、滉平さんはこの点においてあくまで素人。それでも周囲を巻き込み、「輪島迷子猫捜索隊」を組織化して活動を行っていることに注目したという。
ただ、発災当初は交通事情の影響で、石川県が「能登にはまだ来ないで」と呼びかけていたことから、しばらく様子を見た上で、今回のナレーションを担当する石田ゆり子とともに立ち上げた犬猫の医療費支援を行う「ハナコプロジェクト」として現地入り。その際、滉平さんと実際に会って話を聞き、取材することを決めた。
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